地上の人間は、目に見えない霊(魂)と精神、目に見える肉体から構成されています。
それぞれが存在している次元は異なります。
全ての次元に、自然法則が働いています。
法則には普遍性と再現性があり、いつどこでも同じような現象が起こります。
水は0℃になると凍り、100℃になると沸騰します。
これは物質的次元の法則の働きによるものです。
別れには悲しみが、裏切られると怒りの感情が生まれます。
これは精神的次元の法則の働きによるものです。
地上に生まれるのも、去るのも、霊的次元の法則が働いた結果です。
全ての法則の根幹を為しているのが「因果律」です。
原因があれば必ず結果が生じ、結果があれば必ず原因があります。
あらゆる事象は、因果律の働きによって起きているので、偶然はありません。
病気にも原因があります。
お酒の飲み過ぎで肝臓病になる人がいます。
これは物質的次元のアルコールが原因です。
過労で胃潰瘍になる人がいます。
これは精神的次元のストレスが原因です。
霊的次元に原因があって、物質的次元(肉体)に病気となって現われることがあります。
例えば、遺伝性疾患です。
受精した瞬間に遺伝子の変異が起きるのであれば、原因は受精以前にあることになります。
生まれる前に原因が存在しているので、霊的次元の病気と言えます。
ガンや膠原病などの病気も、物質的、精神的、霊的次元の原因が絡み合って生じていると考えられます。
物質的、精神的次元の原因は取り除くことが可能ですが、霊的次元の原因を医学的に取り除くことは不可能です。
病気以外の出来事も、生まれる前に原因があって起きることがあります。
過去の人生において、何かしらの過ちを犯して、それが原因となって(苦痛を伴う)出来事が起きることがあります。
自分を成長させるために、出来事を経験する人生を選んでいる時もあるでしょう。
起きた出来事を偶然や運と思ってしまうと、何で自分がこんな経験をしなければいけないんだと、理不尽さが募り、憤りを感じることもあります。
シルバーバーチの霊訓にはこのように書かれています。
「一つとして偶然がないのです。偶発事故がないのです。全てが不変絶対の法則によって統制されているのです。霊的な意識が芽生え、真の自分に目覚めた時、何もかも分るようになります。」
「私がこれまで送ってきた霊界生活で、“自分は神の法則によって不当に扱われている、不公平だ”と真剣に言える人を一人も知りません。」
地上で分からなかった原因や目的が、霊界に戻ると分るようになり、誰もが納得します。
人生には、およその計画があります。
無限の叡智によって、人生の計画は立案されています。
その計画を了承して、私たちは生まれて来ています。
計画されていた出来事が、目的を果たすために最善のタイミングで起こります。
それは地上にいる人にとって、最悪のタイミングに思えるかもしれません。
何の前触れもなく、亡くなる人がいます。
どこを探しても理由が見つからなければ、その時に亡くなることが予定されていた可能性があります。
そうであれば、地上にいる時間が短かったとしても、生まれて来た目的を果たしたと考えられます。
無限の叡智によって、法則は創られました。
法則の働きによって、宇宙は経綸され、秩序が保たれています。
無限の叡智は、無限の愛でもあります。
それを「神」と呼ぶことにします。
この宇宙は、神の心が具現化したものです。
宇宙の一部である私たちには、神の心が内在されています。
人生の計画の隅々にまで、神の愛が行き渡っています。
法則の中に、神の愛が顕現しています。
人生で起こる出来事は、神の愛のなせる業であるために、最終的には良きに計らわれます。
災害や事故により、苦しみや痛みを味わっている人がいます。
そんな出来事を経験した人にも、法則は働いています。
学びや成長という霊的な埋め合わがもたらされています。
冬の寒さに耐えた者は、春の暖かさにささやかな悦びを感じます。
この人生が終わると、新たな人生が始まります。
地上でしか起こり得ない出来事を経験した者は、新たな人生が始まると生きる悦びを感じます。
生きる悦びを感じるために、出来事を経験していると言った方が正しいでしょう。
さまざまな出来事を経験することで、魂は豊かになります。
苦難を乗り越えることで、魂は成長します。
それが神の法則であり、神の愛です。



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