2022年3月20日日曜日

戦争がいけない理由


今から30数年前、レンタカーを借りて冬の福島県の山村を旅行していた時のことです。

道路には雪が積もっていましたが、車にはチェーンの備えがありませんでした。

慣れない雪道を恐る恐る走っていましたが、案の定タイヤが滑り出し、車を制御できなくなりました。

センターラインをはみ出して、そのまま対向車に向かって行きました。

ぶつかると思った瞬間、対向車の人が急ハンドルを切って、ご自分の車を路肩の雪の中に突っ込ませました。

それにより衝突が避けられました。

車から降りて駆け寄ったところ、幸いなことにケガもなく、車も壊れていませんでした。

運転していたのは初老の男性でした。

良くあることだよみたいな感じで、咎められることもなく、笑みを浮かべながらその場を立ち去って行きました。

寛大さと言うか、心の余裕みたいなものをその時に感じました。



同じ時期の東京でのことです。

大きな駅の階段の端で、うずくまっている人がいました。

その人をよけながら、たくさんの人が通り過ぎて行きます。

気にはなりましたが、私も通り過ぎました。

予定があるので、関わっていられません。

他にたくさん人がいるので、誰か助けるだろうと、考えていたのかもしれません。

声をかける心の余裕がなかったと思います。



数日前の深夜に、大きな地震がありました。

携帯から警報音がけたたましく鳴り、思わず身構えました。

経験がない私には良く判りませんが、近くで銃声や爆発音が聞こえる中で、平静を保っているのは困難と思われます。

張状態に陥ってしまうでしょう



戦争は、心の余裕をことごとく奪ってしまうと考えられます。

負傷して倒れている人がいても、自分の身が危なければ、放って逃げるしかありません。

攻撃を受ければ、逃げるのに必死で、周りが見えなくなります。



銃を手にして、戦わなければならなくなったとしたら・・・。

敵と出くわしたら、早く引き金を引かないとやられてしまいます。

倒したとしても、その後に何を思うのでしょうか。

正当防衛だったとしても、人を殺したことに変わりありません。

その時の光景が頭から離れず、私自身はトラウマになる気がします。



人間には、2つの自分がいると考えています。

潜在している自分と、顕在している自分です。

前者は、本当の自分(魂)であり、霊的な自我と呼ぶことにします。

後者は、パーソナリティーであり、地上的な自我と呼ぶことにします。

さまざまな局面で、両者の間で葛藤が起きて、勝った方の行動を取ることになります。



恐れや不安があると、自分を護るために、地上的な自我の働きがどうしても強くなります。

それに伴って、霊的な自我の働きが弱くなります。

霊的な自我には神が内在し、それが良心となって顕現しています。

しかし、良心の声は恐れによって搔き消されてしまいます。

1度止めかけた引き金を引くことになります。



侵略して来る人間も同じく、良心があります。

本当は、人など撃ちたくないはずです。

本当は、街など壊したくないはずです。

止めさせようとする良心の声を聴いているはずですが、命令に背くことは許されません。

その声を無視して、ミサイルのボタンを押すことになります。


戦争が終わった後に待っているのは、怒りや憎しみや悲しみを通り越し、虚無感かもしれません。

喪ったもの、壊されたものの大きさに、茫然とするでしょう。

もし家族が死んでしまったらどうでしょう。

助けてやれず、自分だけが生き残ってしまったと、罪悪感を抱いてしまうかもしれません。

侵略して来た人間も、命令に従ったとは言え、自分がした行為が正しくなかったことに気付けば、相当な罪の意識を感じることになるでしょう。

良心に背いた行いをしてしまうために、消し難い後悔や罪悪感が生じてしまいます。

予定されていない不用な感情で、多くの人が苦しむことになります。



爆破された建物や街並みを見れば、受けた被害の状況が判ります。

体に包帯を巻いていれば、傷を負っていることが判ります。

しかし、心の傷を負っていても、誰にも判りません。

戦争に関わった人は、目に視えない傷を負っていると思って間違いないと思います。



さまざまな経験を通して、自分に足りないものを学び、成長するためにこの世に生まれて来ています。

その目的を果たすために、予定されているシナリオがあります。

守護霊の導きを受けながら、シナリオに沿うように人生を歩んでいます。

寿命が来たら霊界に戻り、学び得たものを活かす生活が始まります。



そのシナリオをことごとく破壊してしまうのが戦争です。

予定されていた通りに行かなくなり、地上生活が中断されてしまう人もいます。



他者に奉仕をしたり、困難や障害を乗り越えることで魂は成長します。

しかし、戦争によってその機会が奪われます。

後悔の念や罪の意識に苛まれてしまうと、自由闊達な魂の表現が妨げられ、本来の生き方ができなくなります。

絶望感や虚無感からは、成長しようとする気持ちは生まれません。

怒りや憎しみや恨みを抱いていれば、人のために何かをする気持ちにはなれません。

地上の人の成長を著しく阻害してしまうことになります。

子供を殺害されて入隊した女性(ウクライナ)


急死した人の多くは、自分の置かれている状況が判っていません。

意識があるために、まだ地上にいると思っている人も少なくないと考えられます。

もう地上の人間ではないのに戦闘状態が続いている霊や、無理やり肉体から引き離されてショックを受けている霊で溢れています。

その霊を説得したり、癒すために、数多くの霊が自分のいる境涯を離れて、幽界に赴いていると考えられます。

地上だけでなく、霊界も大混乱に陥れるのが戦争です。



戦争は自然災害とは、全く違います。

自由意志により引き起こされます。

止めることもできたはずです。

良心の声が負けてしまったのです。

その代償は大きすぎると言わざるを得ません。



目に視えないけれども、生命はつながっています。

この事実はヒーリングをしていると納得できます。

面識のない人でも、世界の裏側にいる人でも、人間でなく動物でも、ヒーリングは成立します。

つながりを通して、生命力(霊力)が届けられます。



身体のどこかに、激しい炎症が起きていればどうでしょう。

一部で起きているので、自分には関係ないと言う人はいません。

遠い国で起きている出来事であれば、自分には関係ないように思えるかもしれません。

全ての人は霊的につながっていて1つです。

従って、人類全体がこの結果を享受しなければいけません。



戦争ほど、多くの人の人生を狂わせてしまうものはありません。

成長のために立てられた計画を、台無しにさせてしまいます。

人類全体の進化を妨げてしまう、最も愚かな行為と考えられます。


13 件のコメント:

おじいちゃん さんのコメント...

自分は自衛隊に5年間在職していました。教育期間中に愛国心を植えつけました。それから何十年立ちました。愛国心などはどこかに雲散霧消しました。日本が戦争になった日本の為に戦うことはしません。
理由は今の日本はクソだから、特に国会議員が腐っている、こんな連中の為に戦うのは馬鹿らしい。
今の日本人でウクナイナように侵入されたら、平和ボケではどのくらい人が戦う人いるでしょう。自衛隊は税金を使って戦争ごっこうをやっていますが、リアル戦いになっらたとき使えるのか疑問にです。
アフガンで傭兵として戦った日本人の本を読むと昨日まで隣いた人が死体袋に入っている帰ってくる現実があります。この人は現在東南アジアに住んでいます。
自衛隊では上官から何度も体罰を受けました、戦いになり激戦なった後ろ撃ってやろう思っていました。
イクミさんが言われいるように戦争いけないと思います。現実が許さない状況があります。


イクミ さんのコメント...

おじいちゃん様

こんばんは。
自衛隊に在職していたのですね。
愛国心を植え付けられ、もうなくなったそうですね。
確かに、日本は平和が当たり前のようにあり、そのために愛国心を持っている人は他の国より少ないのもしれません。

しかし、実際に敵が攻めて来て、家族の命が危ないと判ったら、立ち向かうのではないでしょうか。
是非はともかくとして、先の大戦では、敵国が震え上がるほどの愛国心を発揮していたように思います。

昔の軍隊と一緒で、自衛隊でも体罰があったのですね、
体罰を加えた動機が問題になりますが、激戦が起こらなくて良かったと思います。

どんなにいけないと叫んだとしても、戦争にならざるを得ない時があります
国や家族を守るために闘うのは霊的に許されます。
ただ、人には良心があるために、どんな理由であろうと、殺したり傷つけてしまうと、自分自身も深く傷ついてしまうと思います。

ラッパ吹き さんのコメント...

イクミさん、おじいちゃんさん、

憎しみや恨みは、鏡のようにどこからか返ってきます。

憎んで復讐すれば、その憎しみの連鎖が広がり増幅して行きます。

我が子を殺されて銃をつかんだウクライナの母親。。(彼女が誰かを殺めれば、その兵士にも母がいます。)
家族全員を殺され、ひとり生き延びて、それでも憎しみを後世に伝えてヒトラーと同じになるよりも、愛を選んだマイダネクのゴルダ(エリザベス・キューブラー・ロス博士の著書から)

誰の中にもヒトラーがいる。
同時に、誰の中にもマザーやガンジーもいる。

憎しみも恨みも、自分自身を蝕みます。
許して手放すしかないんです。苦しみから逃れるには、それしかないんです。

聖人君子になる必要なんかないんです。

裁くのは、人の領分ではない。それは、神のわざです。

憎しみも恨みも、誰かを害する思いは自分自身も害します。

長い年月を隔てて、かつて空で殺し合った日米や日中の戦闘機パイロットが再会して抱き合う。

「個人的になんの憎しみもない者同士が殺しあう、こんな愚かなことはありません。この愚行を二度と繰り返してはならない、ほんとうにそう思いますよ」

「あなた方も自分の意志で戦ったのではないでしょう。計画した一部の指導者の手先となり、国家の命令で仕方なく戦争を行ったと思います。私たちアメリカの先輩たちも同様です。だから今私はあなたたちを恨んでもいないし、このように親しく語り合えることが楽しいのです」

誰の中にもいるヒトラーを、否定するのではなく、認めて許して手放して、
憎しみや恨みで自分自身を傷つけることをやめて、
そうすれば、誰の中にもいるマザーやガンジーが現れてくる、
その時に、苦しみから逃れることができるのではないかと、思います。

思い浮かぶままに、、言葉が呼ぶままに、、
どうかお許しください。

ラッパ吹き

イクミ さんのコメント...

ラッパ吹き様

こんにちは。
憎しみを表現すると、相手から憎しみを返される。
因果律の働きでそうなると知っていたとしても、小さな子供を殺されたとしたら、どうなってしまうのでしょう。
実際に経験しなければ判りません。

憎むことで生じる心の苦しみから救うのは、他人ではなく自分です。
子供を殺されて相手を許せるのは、イエスやマザーテレサかガンジーのような人間に思えてしまいますが、身近な人たちの中にもいます。
私たちの中にも神がいて、神性が最大限に発揮された時に、許すことができると思いますが、過酷な試練を耐える中で魂の成長がなければ叶いません。
難しいのですが、怒りや憎しみを抱いてしまうと成長は止まってしまうために、苦しみから逃れられないと思います。

戦争が続けば続くほど、払拭することの難しい感情が多くの人に巣食ってしまいます。
何ができるわけではありませんが、早く終わりにしなければと思います。

匿名 さんのコメント...

ラッパ吹き様、イクミ様

以前、うつのことについて回答したものです。
あの後、ラッパ吹き様のコメントに対して返信差し上げたのですが、投稿できていなかったようです。
犯罪を犯すことなく普通に生きているだけで人間は尊い…といった内容を書きました。

ラッパ吹き様は、他者に対して思いやりを持って差し上げられる素晴らしい方だとお察しします。
しかし、先日のように度々ひどい鬱状態に陥られるようであれば、とにかくご自分のことを第一に、ご自分を受け入れることだけに専念されてみてはいかがでしょうか。
もちろん、色々な方のお悩みに沿うことに全くお疲れを感じないのであれば、言うまでもありませんが。

私は、HSPの気があり、自分でも気付かないうちに人の念を受けてしまい鬱状態になるときがあります。そんなときはインターネットから離れて、大切な人と自然に出かけたり、美味しいものを食べたりして、とにかく何も考えないようにしています。

私の場合、家に居てネット上で色々なことを考えていると勝手に脳内に疲れが蓄積されていたようです。


ラッパ吹き様の人生がより良いものになるようにお祈りしております。

イクミ さんのコメント...

匿名様

おはようございます。
ラッパ吹き様のコメントに対して返信されていたのですね。
こちらの方の不具合で、送っていただいたコメントが届かないことが過去に何回かありました。
もし、そうであればお詫び申し上げます。

あなたも人の念(想い)を受け取りやすいのですね。
ラッパ吹き様もそうでしょうが、想いに敏感な人にとって、昨今のニュースは余計に堪えるのではないでしょうか。
インターネットは様々な想いが錯綜し、知らずに影響を受けてしまうので、あまり関わらないように努める必要があると思います。
私も、テレビやインターネットから離れて、静かな音楽を聴いたり、犬と遊んだりして過ごすようにしています。

ラッパ吹き様のように、共感力が強く、思いやりが深い人は、諸刃の剣で、人の良からぬ思念も、矢のように心に突き刺さってしまい、つらい思いをされていると察せられます。
精神的に消耗すると、うつ状態になる可能性もあります。

思念をシャットアウトする環境で過ごせれば良いのですが、生きて行くためにはそうも行きません。
生きづらい世の中を、折り合いをつけながら生きることも、この世に生まれて来た1つの意味だと割り切るしかありません。

貴重なアドバイスを送っていただき、ありがとうございました。

ラッパ吹き さんのコメント...

ウツのアドバイスをくださった匿名さん、
イクミさん、
ありがとうございます。

匿名さんもHSPの気があるのですね。
私はエレイン・アーロン博士のHSPセルフチェックリスト27のほとんどすべてが当てはまります。

すみません、どうしても言葉がまとまらず、、、

取り急ぎお礼を。。

ラッパ吹き

ラッパ吹き さんのコメント...

何もかもが気に入らなくて他者に不満をぶつけているクレーマーのような人が、私の身近にもいます。
その人は、ひとりぼっちに見えます。
わかる気がします。つらくなるから誰もが離れてゆく。相手をしなくなる。
私もはじめは話を聞いて私の経験したことを話してもいましたが、独りよがりの糠に釘でまるで話が噛み合わず、他者を傷つけることも他者の迷惑もまるで省みないのに堪忍袋の緒が切れてしまいました。自分のしたことが自分に返ってきて気づくまで放っておくしかない、と。

生きていること全く楽しくありません。それでも生きる続けることは、生き地獄です。

私の修行はまだ終わってはいないのですね…

この違いは。。

私も、生きることが「楽しい」とは思いません。
生き地獄、というより、この世こそが地獄そのものなのだと思います。
修行の場ですから。

それでも、この世界は美しいんです。
神が造られたのですから。
素晴らしい美しさが、とてつもない喜びが、隠れているんです。
私は、それを知ったんです。
その美しさを、その喜びを、追求したいんです。
探求すれば、必ず必ず答えてくれるんです。私たちが見つけ出すのを、神は微笑んで見守っているんです。

戦果の下にも命の輝きがある
マイダネクやアウシュビッツでさえも
幸福は不幸の姿をしてやってくる
喜びは苦しみの仮面をつけて現れる

神のご意志は、神の愛の深さは、私たちには計り知れません。

ラッパ吹き

あさよ さんのコメント...

いくみ様
ブログ読ませて頂きました。

2つの自分が私にも居ます
他人の不幸を見て、聞いて
心地よくなる自分が居ます。
戦争は人が犯す事
コロナも人が犯した罪のむくい…

今日…耳鼻咽喉科の診察でした、お陰様で口内帯状疱疹も完治し喉も鼻も良くなっていました。

耳鼻咽喉科の先生が
良かったぁ、良かったぁとの言葉と同時に歳上の患者の私の頭を撫ぜたのです、ごく自然に当たり前のように
ふっと主人を感じました
いくみ様
私…もう少し修行を続けていけそうです

ヒーリング
本当に有難うございました。

イクミ さんのコメント...

あさよ様

こんばんは。
ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

幸せな人を見て羨ましがり、不幸な人を見て心地よくなる、そんな一面を人間は持っていると思います。
人の幸せを自分のことのように喜べる人が、本当に幸せな人なのかもしれません。

口内帯状疱疹も完治していたのですね。
神経痛が残らなくて何よりです。
ご主人が、先生の手を借りて、自分の想いを表現していたような気がします。

あさよ さんのコメント...

いくみ様

おはようございます
神経痛がなく良かったと思っています。
主人は甲状腺がんでしたから
口内、首、の傷で食事をする事も苦痛でした。
それでも主人は懸命に最期まで生きてくれました。

いくみ様
私、友人が始めたプロジェクトに参加しました

ウクライナとロシアの国花である、ひまわりの種を私の住む地域にお配りするという

ポチ袋に平和と記入し種をいれるプロジェクトです
私…100枚書き上げました~

プロジェクトの主催者の彼の言葉は
こんなに長い時間を生きてきて平和の文字をこんなに書く事はなかったと!!

書き上げ心から平和を願いたいです🌻
いくみ様
きっと必ずコロナと戦争の終息になりますね
信じて生きます。

イクミ さんのコメント...

あさよ様

おはようございます。
ウクライナとロシアの国花はひまわりで同じなのですね。
種を入れて配っているそうですが、蒔いた種が育ち、花を咲かせた時には、終わっていることを願うばかりです。

想いは具現化して行きます。
平和を想いながら行動に移すことで、ほんの少しですが平和な世界に近づいていると信じています。

直ぐにとは行きませんが、コロナも戦争も終息する時が必ず来ます。


あさよ さんのコメント...

いくみ様

この場をお借りして頂きます。

ラッパ吹き様
紀子様

私ごときの為に御心配、それと励ましのお言葉
本当有難うございます。
いくみ様
はじめ、皆さんのお陰でここまで戻ってこれました。

紀子さん
主人をも感じられています。

私の困難、苦しみは乗り越えていけるのだと知り、前へ前へと歩いて生きます。

ラッパ吹き様
紀子様
これからもこんな私を
宜しくお願い致します😊