2021年3月21日日曜日

魂が目覚めるとは?


東日本大震災から10年の月日が経ちました。

先日のニュース番組で、津波で小学生6年生のお子さんを失ったご両親へのインタビューが流れていました。

その中で「あれから時間が止まったまま」と、お父さんは言っていました。

当時、小学校6年生であれば、生きていればもう成人しています。

しかし、ご両親の心の中でお子さんの姿は10年前のままです。

成長が止まっているお子さんと共に、ご両親の時間も止まっていると思いました。



亡くなった人は、跡形もなく消えていなくなりました。

存在を感じることは、もう出来ません。

それにもかかわらず、残された人の中に「見守ってくれている」、「また会える」と口にする人がいます。

いなくなってしまった、もう会えないと思うと、いたたまれなくなるので、希望を持つためにそう考えるようにしているのでしょうか?



直感的にそう感じていると、私は思っています。

これ以上ない悲しみの中で、魂が目覚める人がいます。

目覚めた魂が、霊的な事実を見い出すことがあります。



それでは、魂が目覚めるとは、どんな状態のことを指すのでしょうか?

魂は生命そのものであり、永遠の存在です。

偶然ではなく、それぞれに目的があって、私たちは地上に生まれて来ました。

生まれたばかりの赤ちゃんは肉体をまとっていますが、少し前まで霊的な世界にいて、魂(霊的な自我)が剥き出しになっているように見えます。


しばらくすると、「地上的な自我」が形成されて行きます。

地上的な自我は、その人のパーソナリティとも言っても良い存在です。

魂(霊的な自我)から生じた思念を、パーソナリティである地上的な自我を通して、肉体を使って表現しています。

表現が適切か判りませんが、魂が外界と接触するためにある、地上だけの「顔」と考えられます。



地上的な自我は「顔」であると同時に、環境から自分を守ったり、より快適に過ごすために、重要な役割を果たしていると考えられます。

自己防衛本能と地上的な欲望を併せ持った存在と言えます。

危険を察知して逃避するのも、地位やお金を得ようとするのも、地上的な自我の働きと考えられます。

俗に「エゴ」と呼ばれているものは、地上的な自我のことを指していると思います。



日常生活のほとんどは、地上的な自我の働きにより営まれています。

仕事や作業をしたり、頭を使って考えている時は、地上的な自我が優位になっています。

そのために、多くの人は普段、表に出ている地上的な自我を自分自身だと思っています。



本当の自分とは、その奥に控えている霊的な自我(魂)です。

表には出て来ませんが、霊的な自我には生まれる前の記憶がしまわれています。

そして、生まれて来た目的、予定されている人生、寿命を自覚しています。

死ぬと、地上的な自我は消えてなくなり、霊的な自我が直接表現されるようになります。



普段の自分(地上的な自我)に取って代わり、霊的な自我が表に出て来る時があります。

目の前で溺れている人を見て、助けようとする時がそうです。

また、良くないことをしようとして、ためらっている時もそうです。

霊的な自我には良心(神)が内在されていて、そんな局面において呼び覚まされます。



私たちには、生まれる前に決めていた、およそのシナリオがあります。

決めていた人との出会いや、成長を促すような機会が巡って来た時に、何かひらめくものを感じるかもしれません。

予定された人生を歩むために、重要な局面が訪れた時に、霊的な自我が表に出て来て、道を指し示すと考えられます。

そんな時は、頭で考えないで、直感で行動しています。



他にもあります。

深刻な出来事が起きた時です。

日常生活のちょっとした出来事が起きたら、普段の自分(地上的な自我)で対処しています。

しかし、普段の自分で解決不能な出来事が起きた時に、霊的な自我が表に出て来て主導権を握ると考えられます。



朝、元気だった人が、物言わぬ姿となって帰って来る、これほど信じがたく、過酷な現実は見当たりません。

目の前にある現実は、寸毫たりとも変えることは出来ません。

役に立たない地上的な自我に代わり、霊的な自我が表に出て来た人も、多いはずです。



大切な人を失った人は、津波が悪魔の様に思えるかもしれません。

全ての現象は、自然法則の働きにより起きています。

津波は自然現象の一部であり、自然法則の働きによって起きています。



自然法則を創造したのは神です。

従って、神は津波によって作り出された現実の、全ての責任を負っていると考えられます。



神は、完全なる愛であり、完全なる叡智です。

神が完全なる愛であり、宇宙の隅々まで行き渡っているのであれば、大切な人を津波で奪い、絶望の淵に陥れる、こんな惨い現実を作り出すとは考えられません。

神の叡智が完全であるならば、ある人は津波を逃れ、ある人は巻き込まれて亡くなってしまう、こんな不公正な現実が作り出されるはずはありません。



もし、命が地上だけに限られているのならば、神などいないと思っても仕方がありません。

希望でも、慰めでもなく、亡くなった人たちは、生まれる前にいた境涯に戻り、元気に暮らしています。

自然法則の働きによって、地上を去ると生まれる前にいた境涯に戻ります。



最初は、何が起きたのか判らずに、戸惑ったかもしれません。

しばらくして、起きたことを理解し、その境涯で思う存分に自分を表現しながら、満ち足りた生活を送っていると考えられます。

生まれる前にいた境涯は、地上よりはるかに自由で快適な世界です。

神の公正は完全に保たれているのです。



もし、地上に戻りたいと思う時があるとすれば、それは未来が奪われてしまったと、嘆き悲しんでいる愛する人の姿を見ている時です。

願いは1つです。

元気でいて、未来は全く奪われていないと言う事実を、知ってもらうことです。



地上に残された人たちにも、自然法則は働いています。

突き付けられた解決不可能な現実により思考が停止し、それに伴って地上的自我の働きが弱くなります。

代わって霊的な自我の働きが強くなります。

深い悲しみは、心の奥深くに働きかけて、魂を目覚めさせます。



魂が目覚めると、地上的な自我が求めていた、地位やお金などはどうでも良くなります。

生命や愛など、霊的なものに意識が向くようになります。

自分を守るために、バリアのような役目を果たしていた地上的な自我の働きが弱くなると、相対的に霊的な感受性が高くなります。

目に視えないものを感じたり、霊界からインスピレーション(メッセージ)を受け取りやすくなります。


「見守ってくれている」、「また会える」と言っているのは、その人の希望ではありません。

変わることのない現実、そこから生まれる悲しみにより、魂が目覚めて、意識の焦点が変わり、直感的洞察力により霊的な真実を感じ取っていると考えられます。

理屈ではありません。

その人のオーラを感じたり、無意識の内に想い(インスピレーション)を受け取っていることもあるでしょう。

そこはかとなく存在を感じている人は、決して少なくないと思います。



いくら頭で考えても、分からないことがあります。

向こうにいる人たちの切実な願いは、地上の人の魂が目覚めて、霊的な真実を分かってもらうことです。



参考ページ:「魂(生命)に目覚める意味」





3 件のコメント:

ぎろ さんのコメント...

イクミ 様

こんにちは。
この前、両親に会いに行きました。
コロナ禍もあり、1年以上会いに行けていませんでした。
今回も母からPCR検査を受けてから来なさいと言われました。
今回、父は施設から家に戻るのは2回目らしく、今回も半日だけ
戻ってこれました。私も実質、両親には半日くらいしか会える
時間を持てませんでしたが、色々と学んだことがありました。

父は脳出血と癌、糖尿病からくる透析を受けていますが、
脳出血のせいで左半身がほぼ不随になっています。
久しぶりに会った父は変わりはてた姿になっていて、頭は
シミだらけ、耳は今にももげそうなくらい縮んでいて、肌の色も
黒くなっていました。父は、私が会いに来るのを楽しみにしていたらしく、
「今日は我が家に帰れたし、お前も来てくれてるし最高の一日や。」
そう何度も言っていました。また、「今まで好き勝手にやってきたから
こんな体になってしまった。何も出来ん。本当に情けない。お前にも
何もしてやれん。」そう何度も言って涙を流していました。
私は「自分の父親も知らないのに(祖父は父が生まれる前に死去しています。)
今まで立派に父親をやってくれた。何も情けないことなんかない、
今まで本当に感謝している。」そんなことが自然とすぐに言えました。
父は自分が会社の役員もやっていたこともあり、人に偉そうなことを
散々言っていたことと元々プライドの高い人なのでツケが回って
施設の人から子供扱いされることがかなりつらいようです。
父が大変な身体でも生きているのは今のうちに自分が蒔いた種を
刈り取っているのかと思えるくらいです。
それにしても、私は初めて父を介して介助というものをやったのですが、
父は左半身に痛みがあるので、どうやったら楽に歩いてもらえるか、
どの姿勢が痛くないか、どこを触って良いか悪いか、どこか痛くないかたずねたり、
周りに危ないものはないかなどひたすら利他的にならないと出来ないことだと
よくわかりました。介護に携わる方々には頭が上がらない思いです。

母は今までかわいがっていたトイプードルが死んでしまったので、
代わりにブリーダーが無償で繁殖用に使われていた犬を譲渡する広告を
出していたので、そこでマルチーズを譲ってもらったようです。
繁殖用と聞いただけで体が重くなる気分でしたが、
当のわんちゃんは度重なる出産のせいか歯がだいぶ抜け落ちてしまっていて、
ブリーダーは歯が抜けていることに気付いてすらいなかったそうです。
また、ブリーダーでひどい目に合ったのか、女性にはなつくのですが、男性にはかなり警戒します。
私も手のにおいをかいでもらえただけでこちらをひらずらじ~っと見るだけで全く近づかず、
二人きりになるとずっと吠えられる始末です。結局、私が半日しか家に
いなかったのもあるのですが、仲良くなれずじまいでトホホな気分でした。
やはりペットショップなんかなくなって犬猫を保健所から引き取るのが主流に
なればいいのにと思います。

父は起き上がっているときは普通にしゃべるのですが、横になったとたん
ありもしないことを口にします。母はいつもどおり「何言ってんの!今言ったとこやろ。
もう忘れてんの!?」と、まともに父にとりあっているようですが、私は少し
考えてしまいました。母のようにまともにとりあって相手がボケていることを
そのまま告げるのか、それともきちんとボケていることは言わずにそのまま
言っていることが違うよと言うだけにするのか、はたまた父にそれとなく口を合わせるのか。

父が施設に帰る間際、私の手を力いっぱいにぎって「俺みたいに絶対なるなよ。
お母さんをたのむ。」と涙ぐんで言っていました。手をにぎられたのは初めてです。
父に会う前は、父が夢に良く出てきました。夢で出てくる父はいつもニコニコしていて体はつやつやしています。
実体はそうなのかもしれません。

父と少し話ししても霊的真理を受け入れる段階ではないことはすぐにわかります。
霊的真理を受け入れてくれたらどんなによかったかと思えてなりません。
もしかしたら、父が亡くなってあの世に馴染んだ頃に、たくさんお話し出来るかもしれない、
そんな気がしました。

イクミ様、長々と書いてしまい、すいませんでした。
今は何をもゆるがない信念がほしいです。
大霊を前にして恥ずかしい思いをしてばかりなので。

イクミ さんのコメント...

ぎろ様

こんばんは。
ご両親に会って来たのですね。

衰えて行く親の姿を見るのは、自然の摂理とは言え、寂しいものですね。
お父様は涙を何度も流されていたそうですが、あなたと久しぶりに会えたのが、よほどうれしかったのでしょう。
あなたがかけた言葉は、お父様にとって救われるものだったと思います。
ごく自然に言えたのは、今、気持ちを伝えておかないと後悔するだろうと、背後霊に促されていたのかもしれません。

プライドが高い人が、息子よりも若い人たちに子供扱いされるのは堪えると思います。
それでも助けてもらわなければ、生きて行けないので、随分と我慢されているのでしょう。
霊界に行けば、神の前で皆、同列です。
今の経験は、次の世界に行くために必要なものなのかもしれません。

お母様が可愛がっていたトイプードルが亡くなって、繁殖用のマルチーズを譲り受けたのですね。
ブリーダーの多くは、犬を生き物としてではなく、お金を生み出すものとしか見ていません。
子供が産めなくなったので、広告を出したのでしょう。
それでも、保健所に持ち込まれなくて良かったです。
利己的な人間の被害者である犬たちは、人間を信用していません。
警戒して、お母様を噛んでしまうこともあるかもしれません。
けれども、愛情を注いでいれば、徐々に心を開いて来ると思います。
幸せに恵まれなかったその子のために、よろしければ、その辺の事情もお伝えになって下さい。

お父様が認知症であれば、周りにいる人は大変でしょうが、ご自分の状況を認識する能力に欠けていますので、そのまま告げたとしても意味がないと思います。
もし、私が認知症になったとしたら、言っていることを頭ごなしに否定せずに、優しく頷いて欲しいと思います。

お父様は、もうあなたと会えないと思っていたのかもしれません。
お会いになって来られて、良かったです。

ぎろ さんのコメント...

イクミ 様

おはようございます。
ご返信ありがとうございました。
今回のことも、いろんな人の背後霊の方々や
たくさんの霊団の皆さんがご尽力下さったと思っています。
今まで家族から、親不孝者とかろくでもないやつと
言われていただけに、イクミ様が下さったコメントは
救われた気持ちになります。
いつも本当にありがとうございます。