人がクマに襲われる事象が多く起きています。
温暖化の影響でしょう、木の実などの食料が山で採れなくなったために、人里に降りて来るようになったと考えられます。
人とクマが出くわした時、人が怖くなるように、クマも怖いのです。
人を襲って来るのは、多くの場合、自分の身を守ろうとしているからと思われます。
今、起きている戦争も同じような気がします。
地上は自分と違う人たちと暮らす世界です。
違う人たちのことが理解できないと、不安に思ったり、警戒したりします。
自分を守ろうとする気持ちが高じると、対象を攻撃してしまうことがあります。
お互いが理解できないことから生じる「怖れ」が争いの原因になっていることが多いと考えられます。
肉体を持つことにより、(地上の)自我が生まれ、そこから怖れが生じます。
外部から自分(肉体)を守るために、怖れを感じることは必要です。
もし感じなければ、高い所から落ちて死んでしまうかもしれません。
ただ、過度な怖れを抱いてしまうと、過度な行動を取ってしまう可能性があります。
過度な怖れを抱かないようにするのには、どうすれば良いのでしょうか?
地上の人間には、外面上さまざまな違いがあります。
けれども、本質は同じ魂です。
魂とは生命そのものです。
神性を帯びた意識です。
困っている人を見ると、何とかしてやりたいと思うのも、私たちに神性があるからです。
嘘を付きたくないと思うのもそうです。
全ての人は神が内在している善なる存在であることを理解すれば、過度な怖れを抱かなくなり、尊ぶようになるはずです。
戦争は、遠い場所で起きている、自分には関係のない出来事のように思えます。
それは違います。
地上で起きていることは、自分にも深く関わっています。
少し話が逸れますが、長い間、盲腸は役割りがない組織と思われていました。
最近になり、腸内の免疫力を高める役割りを果たしていることが分かりました。
全ての細胞(組織)は、全身のために、何らかの役割りを果たしています。
用のない細胞(組織)は存在しません。
それと同じで、全ての人は全体を構成する1部として、何らかの役割りを果たしています。
自分には役割りはないと思っている人がいたとしても、それは分かっていないだけであり、知らずに役割りを果たしているのです。
1つ1つの細胞には、同じ血液が流れていて、全身とつながっています。
1人1人の魂にも、同じ霊(生命)力が流れていて、全体とつながっています。
人と人の間には、目に見えないつながりが存在しています。
戦争により飢えてやせ細ってしまった子供たちを見ると心が痛みます。
それは、霊的なつながりを通して、子供たちの苦しみや痛みを魂で感じているからです。
自分に関係ないと思うのは、自分の身体の一部が傷ついているのに関係ないと思うのと同じです。
霊的な感覚が鈍麻しているせいかもしれません。
肉体はばらばらに存在しています。
けれども、霊的には一体です。
霊界にいる時には、当たり前のように感じられていた霊的な一体感は、地上に生まれてしまうと、自我の働きが強くなるため、分からなくなってしまいます。
それでも、一体感を取り戻す時があります。
危機的な状況に直面すると、意識が一変します。
東日本大震災の時、悲惨な光景を目の当たりにして、霊的な意識が目覚めた人も少なくないはずです。
そんな人は、人とのつながりを意識するようになり、一体感を感じていたと思われます。
もし、お互いの違いを乗り超えて、この一体感を共有できるようになったならば、地上から戦争はなくなるでしょう。
戦争で非道な行いをしている人たちがいます。
そんな人たちを憎むのではなく、哀れみましょう。
神は法則となって顕現しています。
1つ1つの行いに対して、厳格に法則は働いて、苦痛を伴う結果をもたらします。
地上を生きている時に結果が出なくても、霊界に行って内在している神(良心)と向かい合い裁かれることになるからです。
互いの違いを認め合い、許し合うという、神性が発揮されると、争いは回避されます。
遠い先になりますが、神の法則(因果律)の働きによって、いずれ戦争のない世界になります。
今、できることは限られています。
平和な世界になることを祈りましょう。
1人の祈りの力は小さくても、多くの人が祈れば、大きな力となります。
祈る心は、内に平和をもたらし、それが外の平和へとつながって行きます。
「全ての人は霊的に一体」
この事実が少しずつ広まるのに従い、争いのない平和な世界になって行きます。