地上にいる私たちは、肉体(物質)しか見えません。
そのため、自分と他の人を全く別なものとして認識しています。
当たり前のことを言うなと叱られそうですが、そうではない世界にいづれ赴くことになるのです。
死ぬと地上を離れて霊界に行きます。
そこでは、肉体(物質)は見えなくなり、代わって霊(魂)が見えるようになります。
そして、人と人(魂と魂)の間にあるつながりを意識するようになります。
死ななくても、意識するようになった人もいます。
エドガーミッチェルは、アポロ14号に搭乗して、6番目に月面を歩いた宇宙飛行士です。
彼はこう語っています。「宇宙から地球を見下ろした時、私の中で何かが変わった。私は自分が宇宙の一部であり、宇宙が私の一部であることを感じた。」
そして「地球へ帰還するあの3日の旅程で私が経験したことは、宇宙の一体性(ユニティ)という圧倒的な感覚に他ならない。」と言っています。
宇宙に行くという特別な体験をしたので、考え方が変わったと言う人もいるでしょう。
全ての人は、死の際に宇宙飛行士よりもはるかに強烈な体験をします。
そして意識は激的に変わります。
個は全体を構成する一部であり、全体はつながっていて1つであることを、自然に意識するようになります。
2020年初頭、新型コロナウィルスが流行し始めました。
ロックダウンなど、人との接触を断つ対応が取られましたが、そんなことなどお構いなしに世界の隅々にまで、ウィルスは拡がって行きました。
人とのつながりを断つことは不可能であることを物語っていました。
2011年3月に東日本大震災が起こりました。
悲惨な現実を前にしながらも、被災者同士が食料や水、毛布などを分け合い、支え合いました。
知らない人同士でも「大丈夫?」と声をかけ合いました。
「自分だけが助かれば良い」ではなく「みんなで乗り越えよう」という意識が生まれました。
こんな様子が各地で見られました。
神秘的な体験をしたり、危機的な状況に直面すると、普段とは別の意識が現れる時があります。
別の意識が、命あるもの同士の間に存在する、目に見えないつながりを感識することがあります。
大切な人を亡くすと、もう姿を見ることも、声を聞くことも、体に触れることもできなくなったと嘆き悲しみます。
悲しみの末に、導かれるようにして、亡くなった人の存在を見出す人がいます。
肉体はなくなっても、霊的なつながりは失われていなかったことを知ります。
地上では、五感で感じられるものに意識が向きます。
眠っていた魂が目覚めるような体験をすることによって、物的なものから霊的なものへと意識が向くようになります。
お金や地位を追い求めるのをやめて、人間関係を大切にするようになった人を見かけますが、そんな人は意識に変化が起きていたのかもしれません。
見かけは違っていても、人間(生命)の本質は同じ魂です。
魂に内在する神性によって、私たちは1つに結ばれています。
広大な宇宙の中で、地球という同じ空間に住んでいる同胞です。
それぞれが全体のために何らかの役割りを果たすために存在しています。
死んでからではなく、生きているうちにそのことに気付くべきです。
1つに結ばれているものを、分断しようとする考えや行いは、明らかに間違っています。
本質は同じなのに、優劣を付けたり、不平等に扱うのは、明らかに間違っています。
間違っていると思うけど、根拠がないので確信を持てない人が少なくありません。
多くの人が漠然と感じていることを、明文化したものが霊的真理です。
真理に出会ってから20年経ちます。
さまざまな実体験に基づいて、私なりに検証して来ましたが、その内容に矛盾や疑問を感じたことは1度もありません。
少なくても私にとって確固たる根拠となっています。
真理に照合すれば、対象となるものが正しいのか、間違っているのか、直ぐに答えが出ます。
シルバーバーチの霊訓にはこうあります。
「魂が開発され進歩するにつれて、自動的に他人に対して寛大になり、憐れみを覚えるようになります。これは悪や不正に対して寛大であれという意味ではありません。相手は自分より知らないのだという認識から生まれる、一種の我慢です。人間はたいていの場合、自分のしていることの意味が分らず、全くの無知から行動しているものです。それがあなたの我慢のしどころです。しかし、その我慢は悪を放任し黙認することではありません。それは我慢ではなく、目の前の現実に目を瞑ることです。」
最近になり、この言葉の存在が大きく感じられます。
間違った行い(悪)は、因果律の働きによっていずれ正されて行きますが、それまでに多大な犠牲が払われることになります。
間違っていることを確信しているのに、何もしなければ目を瞑っているのと同じような気がしてなりません。
真理を知った者同士が一致団結して、声を上げれば1つの力になるのかもしれません。
シルバーバーチの霊訓にはこうも書かれています。
「大自然の働きの基調は革命(レボリューション)ではなく、進化(エボリューション)です。進化の過程はゆっくりと着実に進行します。」
「神の摂理は完璧ですから、地上の人間が一人の例外もなく、生涯に一度は真の自分を見出すチャンスに巡り合えるように配慮されております。」
さまざまな体験を通して、真の自分を見出し、意識が変わろうとしている時に、真理を伝えるのは極めて重要なことです。
一人ひとりの意識が変わり、真理を知ることで、望ましい世界へと変わって行きます。
けれども、変わろうとしている人が、容易に真理に辿り着ける環境にあるとは言えません。
もっと身近で、手に届く範囲に置かれていなければいけません。
今は、書籍よりもSNSを利用して知識を得る時代です。
より多くの人が参画した方が、必要としている人が辿り着ける可能性は高まります。
可能性が高まることを、一人ひとりが追求して、導き先が構築されることを霊界は望んでいると思います。