2026年10月25日日曜日

別れの意味を知る時


今から30年以上前のことです。

友人が、同居しているお兄さん夫婦の赤ちゃんが死んだと、神妙な面持ちで話をしました。

気が付いたら、息がなかったそうです。



お母さんの悲しみは、計り知れないものがあります。

それに加えて、自分の不注意で死なせてしまったと強い自責の念に苛まれたと察せられます。

そんな危うい精神状態の中で、姑さんはお母さんを責め立てたそうです。

孫を亡くしたやり切れなさが憤りとなって向けられたのでしょうが、それに耐え切れずにお母さんは家を出て行きました。



当時、赤ちゃんの突然死は窒息などによる事故として扱われていましたが、今は病気(乳幼児突然死症候群)という認識が一般的なようです。

しかしながら、その原因については未だ不明です。



病気には、さまざまな次元の原因があります。

原爆で被爆して白血病になったら、その原因は「物質的次元」の放射線にあります。

ストレスで胃潰瘍になったら、その原因は「精神的次元」にあります。

生後数か月で、何の前触れもなく起きるこの病気は、物質的次元、精神的次元のどちらにも原因は見当たりません。



シルバーバーチの霊訓にはこのように書かれています。

「地上の期間、いわゆる寿命が切れる時期は大方の場合あらかじめ分かっております。」

「地上で使用する身体は自分で選んでおり、歩むべき道もあらかじめ承知しております。」

そして「自分の身体を選んだということは、親も自分で選んだということですか?」という問いに対して

「むろんです。賢明なる子は親のことをよく知っております。」と答えています。



以上のことから、数か月で亡くなることが決まっていて、直ぐに寿命が来る肉体を選んで、よく知っている母親の元に生まれて来たという事実が導き出されます。

原因が見当たらないのは、霊的次元で決められていた寿命だったからと思われます。



全ての生命は、永遠の時をかけて進化成長して行きます。

私たちが死後に赴く霊界は、安全かつ快適で、生きる喜びが感じられる世界です。

そんな世界にいても、自分を成長させたい、自分に足りない資質を手に入れたいという想いは常にあります。

その想いを実現させるためには、霊界では起こり得ない出来事を経験する必要があるようです。

そんな出来事を経験することができるのが、地上(地球)です。



もし、初めて赤ちゃんを見た時に、何とも言えない親しみが感じられたり、懐かしさのようなものが感じられたり、初めて会ったような気がしないのなら、生まれる前から霊的なつながりがあるのかもしれません。

そうであれば、以下のようなブループリントが存在している可能性があります。


地上に生まれる前も、お母さんと赤ちゃんは同じ世界で生きていました。

2人は親(ちか)しい間柄の霊であり、お互いが十分に分り合えていました。



片方の霊は、自分に足りないものを自覚するようになります。

それを手に入れたいという想いが、次第に強くなります。



そこで、(指導的な立場にある霊を交えて)2人である約束をします。

手に入れたい霊が母親となり、親しい霊が子供となり、地上で親子となる約束です。

その約束を果たすために、まず母親が地上に生まれます。



いざ地上に生まれると、約束のことなどすっかり忘れてしまいます。

子供から大人となり、そして結婚して、子供が欲しくなります。



受胎の瞬間を待ち受けていた親しい霊は母体に宿ります。

わずかの期間しか、地上にいられないことを承知した上で。



地上に誕生した時、やっと出会えたという、安堵の想いのようなものが、双方に感じられます。

霊界にいた時のように、言葉を交わさなくても、お互いの想いが分り合えています。

生きる悦びに溢れた日々が始まります。



そして、約束していた「出来事」が起こります。

悦びの中での、突然の別れは、悲しみという言葉では言い尽くせないものになります。

親しい霊なので、身を引き裂かれるような感覚になります。



この苦しみから逃れたい衝動に駆られますが、それができない自分がいます。

その自分こそが真の自分(魂)であり、生まれる前にしたこの約束を知っています。



何のために生まれて来たのか?

何故、逝ってしまったのか?

問い続けますが、その答えはどこにも見つかりません。



「悲しみは、魂に悟りを開かせる体験の中でも特に深甚なる意味を持ち、それが魂の琴線に触れた時、一番よく魂を目覚めさせるものです。」と、シルバーバーチの霊訓には書いてあります。

これ以上ない悲しみ、苦しみの末に、母親の眠っていた魂が目覚めます。



目覚めた魂が、ようやく納得の行く答えを見つけます。

「自分を成長させるために生まれて来て、その目的を果たすために逝った。」



地上とは真逆です。

母親の成長を心から願う、子供の愛です。



そうだとしたら、自分を責める理由はどこにもありません。



その出来事でしか得られない、学びがあったのです。

あまりにも早く逝ったのは、その方が魂に響いて、望んでいたものを手に入れることができるからです。



霊界にいる子は、こんなことを伝えたいのかもしれません。

「お母さんと約束していたことなんだよ」

「約束した通りにこちらに来たのだから、どんなにつらくてもそちらで生きて自分にした約束を果たすんだよ」



約束が果たせるように、霊界から援助の力を送り続けます。

そして、地上を生きるお母さんの姿を見ていて、霊界では得られない、多くの学びを得ることになります。



目に見えない、声は聞こえない、触れることもできなくても、本質である魂は変わりなく存在しています。

そのことを信じることで、霊的なつながりは強くなります。



つながりを通して、次元を超えて愛は届きます。

生きている次元は違っても、愛し合うことができるのです。

同じ次元で一緒に生きるよりも、違う次元にいて信じ合い、愛し合うという、困難な人生を選択したのです。



地上を生き抜いて霊界に戻った時、この出来事を経験したことにより、望んでいたものを手に入れて、大きく成長できたことを知るでしょう。

目的が無事に果たされた喜びを、2人で分かち合うことになるでしょう。







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