2024年1月21日日曜日

神性を信じる


人生百年時代と言われます。

今、百歳以上のお年寄りの数は、全国で10万人に迫る勢いです。



私は、昔ほど長生きしようとは思わなくなりました

死は終わりではなく、次の世界の始まりであることを知っているからです。


この世界は物質の世界です。

人間、建物、車など、見るもの、触れるものに実感があります。



次の世界は思念の世界です。

思念は、見ることも、触れることもできないので、実感に乏しい世界のように思えてしまいます。



けれども、思念こそが本質です。

この世にいる私たちは、思念を言葉に変換して、肉体を使って表現しています。

言葉は代用品なので、自分の思念を完全に相手に伝えるのは困難です。



次の世界に行くと、肉体を介さずに、ありのままの思念が相手に直接伝わります。

隠し立てをしたり、嘘を付くことができません。

どちらが真実の世界なのか、言わずと知れています。



次の世界では人の想いが判る上に、周囲には自分と似通った人しかいません。

安心して暮らせる、平和な世界です。

天国と言われる所以です。



一方、この世では人の想いが判りません。

周囲にいるのは、自分と異なる人たちばかりです。

そのため相手を理解できないことがあります。

理解できないと、不安になることがあります。

不安が高じると、怖れとなることがあります。



私の患者さんに、ロシアから日本に嫁いだ女性がいます。

その女性のご実家はウクライナにあり、そこで暮らしていたお母様を日本に呼び寄せました。

お母様の口の中の状態が悪いために、私の医院で治療をすることになりました。

治療の説明ですが、日常生活で支障がないほどの日本語が話せる娘さんを通して伝えてもらいました。

従って、お母様と私は直接コミュニケーションはできません。

お互いに良く理解できないまま、治療が始まりました。

言葉が全く通じない異国の地で、何をされるのか怖かったのでしょう、時々、涙を流されていました。

分かり合えない、もどかしさを感じました。



今、起きている戦争は、怖れから始まっていると考えています。

過剰な怖れが生じると、自分を守ろうとするあまり、攻撃的になることがあります。

相手を信じることができたら、怖れはなくなります。

この世で、争いを起こさずに、穏やかに暮らして行くためには、まず信じることが必要です。

けれども、それは容易くはありません。

今までに、裏切られたり、騙されたり、傷つけられたりした経験があれば、なおさら難しいです。



この世では、地上の自我(以下自我)によって自己表現しています。

自我は百人百様です。

表に出ている自我が違うために、相手のことを理解できない時があります。

自分との間に大きな隔たりを感じると、信じるのは難しくなります。



自らの命を省みずに、誰かを助けようとする行為は、どうしてできるのでしょうか?

罪のない子供が戦争で死んで行くことに、胸が痛むのはどうしてでしょうか?

悪いことをすると、罪の意識を感じるのはどうしてでしょうか?

それは、私たちに神性があるからです。



自我はそれぞれ違います。

けれども、神性は同じです。

同じ神性によって、全生命はつながっています。

自我の働きが強くなっている地上では、そのことに気付けません。

自我(エゴ)ではなく、内部に宿る神性に意識を向けるようにして下さい。



神性が顕現したものが愛です。

愛は、霊的なつながりを通して、伝わって行きます。

つながるためには、まず対象を信じなければいけません。

信じるほど、つながりは強固なものとなります。



自分を愛することの大切さが叫ばれています。

けれども、自分を愛する前に、自分を信じなければいけません。

自分を信じるとは、内在している神を信じることです。

信じることで神とのつながりが強くなり、流れ込む力(愛)により、心が癒されたり、勇気や自信が湧いて来ます。



負の感情を抱きそうになったら、内にいる神を強く信じましょう。

神性が発揮され、許す方向に向かいます。

怖れも克服できます。



ウクライナから来たお母様ですが、1月24日に帰国することになりました。

それまでに、予定していた治療をどうにか終えることができました。

昨日が、最後の来院でしたが、ちょうど84歳の誕生日でした。

ウクライナ語で「誕生日おめでとうございます。」と伝えたところ、一瞬で、明るい表情に変わりました。

お互いが分かり合えない地上では、まず言葉を尽くすことが必要と改めて感じました。

それができないのであれば、信じることで互いの隙間を埋めるしかありません。




ばらばらになった個々が、信じ合い、愛し合うことで1つになって行く、それが神の構想と考えています。

目に視えない愛の存在を、さまざまな体験を通して実感し、学ぶことが、この世に生まれた目的の1つです。

この世で愛を深く学んだ魂は、次の世界に行くと、より自分を周りのために活かせるようになっています。




6 件のコメント:

冬の太陽 さんのコメント...

イクミ様

いつも素晴らしい記事をありがとうございます。自分のなかに神が宿っていることを信じるというのは、本当に大切なことですね。昔はいろんな本を読むたびに、教訓を学び取ったつもりでいたことが、実際は、思考や行動において実践できていなかったことがたくさんありました。それを、痛みや理不尽な出来事や何かの試練が、目に見える形で、生き方の間違いを教えてくれていたんだと気づきました。貴ブログを読むようになって、たくさんの気づきが得られました。人はみんな見えない根っこでつながっているから、自分が良い方向に変わることで周りの人にも、そしていずれは社会にも良い影響を与えられると希望が持てるようになりました。しなければならないことを先延ばししていたのですが、自分を信じて頑張ろうと思います。これからも記事を楽しみにしています。ありがとうございます。

イクミ さんのコメント...

冬の太陽様

こんばんは。
その後、痛みはいかがでしょうか。
更新したブログを、早速お読みいただき、ありがとうございます。

自分の中に神が宿っていることを信じることは大切です。
けれども、実生活に追われていると、そのことを忘れがちになります。
それでも信じるように努めていれば、つながりは強くなり、恩恵を感じられるようになるでしょう。

起きる事象には原因があります。
原因が法則に反することであれば、それを正すように苦しみや痛みを伴う事象が、因果律の働きによって起こります。
正せ(償え)ば、苦しみや痛みは必要なくなるはずです。

そうですね。
人は見えない部分でつながっています。
シルバーバーチは「霊の絆は、国家の別、民族の別、宗教の違い、政治理念の違い、その他いかなる種類の違いをも凌駕します。大霊は、無限の叡知によって地上のすべての子等を一つの霊的大家族として創造なさったのです。」と言っています。
この厳粛な事実を知らずに、視野が極端に狭くなっているために、今、世界で戦争が起きています。
地球は1つの生命体だと思います。

法則に則った生き方をすることが、何よりも大切です。
そうすることで、周り影響を与えながら、わずかばかりでも世の中は良くなって行くはずです。
法則が正しく働いているのを、経験的に知ることもできます。

自分を信じて頑張って下さい。
成長する方向に向かいます。

冬の太陽 さんのコメント...

イクミ様

お気遣い、ありがとうございます。痛みは少し減りましたが、まだ残っていて、呼吸法で不快感をしのいでいる感じです。波長を高く保とうとしているのですが、悩むときが長かったので、まだ完治する時期がきていないのかもしれません。でも痛みは悪いことばかりでなく、この痛みのおかげで、自分の心に向き合うことができました。痛みが危険信号のように教えてくれたんだと感謝しています。また、おかげさまで負の感情が浄化されて、苦しかった時は自分の魂の成長に必要だったんだと思えるようになりました。全ては導かれていて、人生は学んで実践するためにあるんだと心から思えるようになりました。戦争によって傷つくのは、人々の命、暮らし、家族、自然環境、それらは誰もが自分にとっての一番大事なもの。他人の大事なものを破壊していいはずがありません。世界中の人々がもっと、みんな一つにつながっていることに気付いてほしいですね。それには、まず自分の生活や行動、思いを変えて、後回しにしていたことに取り組もうと思います。きっと小さな変化が周りを変え、良くしようとする人が増え、いつか世界はもっと良くなる。そう思って、時間を大事にして小さなできることを増やしていこうと思います。

イクミ さんのコメント...

冬の太陽様

痛みは残っているのですね。
それでも、感謝されていると聞き、浄化は確実に進んでいると思いました。
お身体に気を付けて、ご自身の課題に取り組まれて下さい。

匿名 さんのコメント...

イクミさま

いつも心温まる記事をありがとうございます。
以前、心臓の穴が空いた我が子にヒーリングをして頂きました母親です。
ご報告とお礼のために伺いました。

前回のエコーでは、我が子の心臓の穴は、小さくなってもいなければ大きくもなっていませんでした。しかし毎日の成長、日に日にかわいくなる子どもに、そんなことが気にならなくなるほどに、何よりも大事なことを教えてもらいました。一日一日、わたしの心を癒してもらいました。

この子は、親バカですが本当に純真無垢で、一瞬一瞬を懸命に生きていて、わたしは畏敬の念すら抱いています。傲慢で利己主義者だったわたしに大事なことを気づかせるために、心臓の穴さえも引き受けてくれたような気がしてなりません。
この子に恥じないように…今までの間違いは消せませんが、それでもこれからどう向き合って生きていくか、どれだけ愛と奉仕のために生きれるか、自分なりに一生懸命考え行動しています。

そんななか能登半島の地震のニュースもあり、被災された方々は今もまさにこのときに、どれほど不自由な、苦しい思いをなさっているだろうと…毎日胸が痛みます。できる範囲の寄付しかできませんが…しかしきっと、1人1人の努力が身を結ぶこと、最終的にすべては善きに計らわれているという信念のもと、祈りとともに生きています。

イクミさまの記事にも大変助けて頂きました。
心に灯していただいた明かりは忘れません。本当にありがとうございました。

イクミ さんのコメント...

匿名様

おはようございます。
ご報告ありがとうございます。
お子さんの心臓の穴は、変化がないのですね。

前にも書いたかもしれませんが、起きた現象には偶然はありません。
お子さんの心臓の穴も偶然ではなく、何らかの目的(原因)を持って生じました。
もし、穴がなかったとしたら、ここまでご自身の内面を見つめることはなかったでしょう。

赤ちゃんは、お母さんを選んで生まれて来ています。
お子さんとなり、真理に目覚めさせ、則した生き方をするように促す役割を持って生まれて来たと思います。
これからも、お子さんを通して、大切なことを学び、成長して行かれるでしょう。

能登半島で起きた地震は、映像を見る度に胸が痛みます。
悲劇的な事象が起きた時、神性が発揮される好機です。
できることは限られていますが、現地で神性を発揮されている方が、ご活躍できるように祈りましょう。

お子さんには、霊的真理を少しずつ伝えて、惜しみのない神性(愛)が発揮される人になるよう、育てて下さい。
それが匿名様の役割りだと思います。