「神様が1つ叶えてくれるとしたら、どんなお願いをしますか?」
こんな質問をすることによって、その人が考える幸せが窺い知れます。
「お金持ちになる」であれば、その人にとって幸せが感じられるものはお金です。
病気の人であれば「健康になる」と答える人は少なくないでしょう。
最も大切に思っているものを手にしている時、人は幸せを感じています。
昔の私でしたら「仕事で成功する」と答えたでしょう。
けれども、願いが叶って名声や富を手にしたとしても、永続的な幸せは得られません。
死んだら、消えてなくなってしまうものだからです。
意味のないものを追い求めていたと、きっと後悔するでしょう。
霊的真理を知った今は「生まれて来た目的を成就させて下さい」になります。
生まれて来た目的が何であったのかは具体的に知ることはできませんが、このような文章を書いているのもその一環と考えています。
全ての人に共通する生きる目的は、自分(魂)を成長させることです。
けれども、自分で成長させようと思っても、成長させられるものではありません。
宇宙の隅々まで自然法則が働いています。
原因に対し結果が生じるのは、自然法則の根幹を為す「因果律」の働きによるものです。
空に向かって石を投げると地面に落ちて来るのも、別れの時に悲しくなるのも自然法則の働きによるものです。
あらゆる事象に自然法則は働いていて、何人たりともその働きに干渉することはできません。
生まれるのも、そして死ぬのも、自然法則が働いた結果です。
私たちは、地上で成長する余地が残されていたので生まれて来たのです。
どこかに未熟な部分や、足りない部分があるはずです。
どこが未熟なのか、足りないのかは、自分では判らないものです。
自分の未熟な部分が地上で表現されると、そこに自然法則が働くことになります。
例えば、わがままな人がいるとします。
その行為は、自然法則を創造した存在の心(愛)に反しています。
そのため、周囲から反発を受け、孤立してしまうという結果が生じるかもしれません。
孤立と言う精神的な苦痛を味わうことで、自分の未熟な部分に気付いて、改めて行くことになります。
足りない部分にも、自然法則は働くことになります。
例えば、強さが足りない人がいたとします。
そんな人には、自分一人の力で克服して行かねならない、困難や障害(結果)を伴う出来事が、因果律の働きにより生じるかもしれません。
克服する過程において、魂は強くなって行きます。
さらなる成長のために欠かせない重要な部分であれば、人生の大半をかけて身に付けて行くことになるかもしれません。
人生にはシナリオがあると言われます。
その理由は、目的(原因)が存在していれば、どこかで出来事(結果)が生じることは決まっているからです。
目的を果たすために、最善な環境に生まれ、最善な結果(出来事)が、最適のタイミングで生じるようになっています。
その多くは避けて通りたいものであり、最悪の出来事が、最悪のタイミングで起きたと嘆く人もいるでしょう。
深刻な出来事であれば、心の奥底まで響きます。
そして、奥底で眠っていた魂を目覚めさせることになります。
起きた出来事は不動です。
目覚めた魂が、目に視えない大切なものを見つけて、それを支えにして生きることで、少しずつ自分が変わって行くのかもしれません。
変わったところが、自分の未熟な部分や足りない部分と考えられます。
その変化こそが、魂の成長です。
自分が変わることで、出来事が起きた意味が成就され、苦しみから解放されるはずです。
死んでしばらくすると、元いた世界に戻ります。
そこは、地上の苦に当たるものが取り払われた快適な世界です。
けれども、ぬるま湯につかっているようなものであり、自分を変えるのは容易ではありません。
そこで、出来事から生じる苦を通して自分を変えるために、地上に生まれることを選択したと考えられます。
原因(目的)がはっきりと判った瞬間、それまで感じていた理不尽さはなくなるでしょう。
経験によって身に付けたものを携えて、私たちは死んで行きます。
肉体の呪縛から解き放たれて、意識は自然に自分から他者に向かうようになります。
他者のために自分を活かすことに、悦びが感じられるようになります。
霊的に成長した魂は、より一層、自分を活かすことができるようになり、前にいた時よりも深い悦びが感じられるようになっています。
地上的な尺度で測ると見誤ります。
死んでこの人生を振り返った時、あの苦難が魂をより高みへと導いていたことに気付きます。
より自分を活かせるようになるため必要だったのです。
自然法則の働きによって、完全な公正が保たれていたのを知り、深く感謝するでしょう。
起きる事象に、偶然が入り込む余地は、全くありません。
地上でしか経験できない出来事を通して、私たちは学び成長しています。
次の世界に行き、成長した悦びが感じられる人生こそ、幸せな人生です。
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