学校に通っている時に1番緊張したのは、通知表を渡される瞬間でした。
5段階評価でしたが、この数字を見て自分よりも親が一喜一憂していました。
親が喜ぶため、あるいは叱られるのが嫌なので、頑張って勉強をしているお子さんは、今も多いのではないでしょうか。
ところで、通知表の「科目」の評価の右側には、「生活のようす」と言う評価があります。
「子どもと一緒に成長する毎日」より |
その項目には「思いやり」「自主性」「責任感」「公平性」などがあります。
学科の評価ばかりに目が行き、当時は全く気にしていませんでした。
今は、こちらの評価の方が大切ではないかと思っています。
どんなに難しい数式が解けても、漢字をたくさん知っていても、それが活かせるのはせいぜい100年くらいです。
死んであの世に行けば意味がなくなってしまいます。
けれども、「思いやり」などの資質は失われることはありません。
あの世では、頭の良し悪しではなく、通知表の右側に書いてあるような資質が問われると考えられます。
小学生の時のことです。
借りた鋏を返すのに、持つを方を前にして手渡したクラスメートのことを、みんなの前で先生が褒めていました。
そうしていなかった私は、ハッとしました。
クラスメートは、褒められたことを忘れないでしょう。
テストの成績が良かった時よりも、こんな思いやりのある行動ができた時に、もっと褒めてあげれば、子供たちの霊的な意識は高まって行くのではないでしょうか。
霊的真理をもっと早く知っていれば、子供が小さい時に教えられたのにと残念に思う時があります。
もし、私がこれから子供を育てるとしたら、少なくても次の2つのことは教えておきたいと思います。
1つは、良心の声に従うこと。
自我が発達していない子供たちの方が、良心の声は良く聞こえているはずです。
最初に心の中でする良心の声に素直に従えば、その後しばらくは大変になるかもしれないけれど、最後には必ず良い方向に向かうと伝えるでしょう。
もう1つは、目に視えない守護霊が付いていることを教えます。
友達とケンカ別れをしても、家族がいなくなってしまっても、守護霊がいなくなることはありません。
いざという時に力になってくれるので、強く信じるように伝えます。
あと1つ、教えておきたいことがありました。
それは、生まれて来た目的です。
何で生まれて来たのか、何で生きているのかは、子供にとって興味があることですが、先生に質問しても答えてくれません。
小さな子供であれば「この世にいる人は、良いところもあれば、悪いところもあるんだよ。自分の良いところをもっと伸ばして、悪いところを直して行くために生まれて来たんだよ。」と伝えようかと思います。
併せて「目に視えない自然のきまりがあるんだ。そのきまりを破ると痛い思いをして、守るとうれしい思いをするんだ。いろんなことを経験して、痛い思いやうれしい思いをしながらきまりを学び、自分を良い方向に変えて行くんだ。」と伝えたいです。
良心の声に素直に従い、守護霊と共に生きていることを自覚していれば、横道にそれることなく、正しい人生を歩むことができると教えてやりたいです。
人はより良く生きたいものです。
より良く生きるためには、自分だけではなく、周りも良くしなけければいけません。
そんなことを知っているのか、周りのことを真剣に考えるようになった子供たちが増えているような気がします。
「何かおかしいぞ」「いけないんじゃない」世界で起きている出来事を見て、良心がそう訴えている子供たちは少なくありません。
差別ってどうしてあるの?
戦争は何でなくならないの?
飢えている人が何でいるの?
地球で人間は1番偉いの?
動物たちは人間よりも劣っているの?
自我の働きが強くなってしまった大人よりも、魂で生きている子供たちの方が、そんな素朴な疑問を持っていると思います。
疑問を持っている子供たちに質問されたら、こう答えてみたいです。
「人体を考えてごらん。
脳、筋肉、皮膚などの、いろいろな組織があるよね。
それぞれの組織には、それぞれの役割りがあるよね。
脳は、筋肉より優れているわけではないんだ。
筋肉がなければ脳がどんなに命令をしても、体を動かすことはできないからね。
身体の中のそれぞれの組織が、それぞれの役割を果たすことで、生きているんだ。
互いがお互いのために必要なんだ。
大切さは同じで、どれ1つ欠けても健全に生きていけないんだ。
地球の生命も、実は同じなんだよ。
人も動物も植物も、それぞれが何らかの役割を持っていて、この地球に生きているんだ。
役割がないように見えるものもあるけど、それは分かっていないだけなんだ。
人体のそれぞれの組織には、同じ血液が流れて生きているように、地球のどの生命にも同じ生命(霊)力が流れて生きているんだ。
頭のてっぺんの組織と足先の組織は遠く離れているけど同じ体の一部であるように、自分も他の人も他の生き物も地球の一部には変わりないんだ。
全体の一部としてつながっているんだ。
周りのことを考えずに、自分さえ良ければと思って生きているのは、体の中で周りを押しのけてどんどん大きくなる「がん細胞」みたいなものだよ。
それでは、全体が悪くなってしまうんだ。
偉いはずもないのに、1番偉いと思って生きている人間は、地球を悪くしているがん細胞なのかもしれないね。
がん細胞になりたくはないよね。
そう思ったら、地球全体のことを考え、みんなと一緒に生きていることを忘れてはいけないよ。
いじめをしている人がいるけど、それは自分をいじめていることになるんだ。
人を助けている人がいるけど、それは自分を助けていることになるんだ。
自分は全体の一部なのだから、当然だよね。
何か才能があれば、それは全体のために活かすためにあるんだ。
全体が良くなることで、自分も良くなれるんだ。
何度も言うけど、みんな全体の一部だから、自分だけが良くなることはできないんだ。
みんな一緒に良くなるしかないんだ。
自分だけ良くなろうとする人が増えると、世の中がおかしくなってしまうんだ。
自分のことだけを考えて、わがままばかりを言っているとどうなる?
仲間外れになり、嫌な思いをするよね。
それは、自然のきまりが働いているからなんだ。
いけないことだと教えているんだ。
全体のことを考えれば、自然のきまりを守っていることになるから、もっと仲良くなって、みんなが幸せになれるんだ。」
もし学校で話す機会が与えられたのなら、子供たちの前でこんな話をすると思いますが、宗教のようなものを持ち込むなと反発を受けてしまうかもしれません。
それでも、子供たちの未来を幸せにする、何よりも大切な知識であることに違いはありません。
最後になりますが、シルバーバーチの霊訓にはこう書かれています。
「子供には、宗教とは人のために自分を役に立てることであること、ややこしい教義に捉われることなく、まじめで無欲の生活を送り、自分が生活している社会のために尽くすことであること、それが神に対して真に忠実に生きるという意味であることを教えてやらねばいけません。」
道徳の授業で教えられていることの根拠が、霊的真理の中にあります。
子育てをしている人は、無垢な心に真理の種を蒔く機会が与えられた人です。
その好機を逃さないで下さい。