30数年前から、同業者(歯科医師)が集まる研修会に所属しています。
入会した当初、主宰されていた恩師の先生から言われた言葉が、今も心に残っています。
それは「知らないものが1番強い」でした。
言われた時は、その意味が良く分かりませんでした。
今は、知識がない人ほど、恐いもの知らずで、間違ったこと(治療)を平気でしてしまうという意味であり、無知な私を戒めていたと思います。
世界を動かしている人たちは、豊富な知識を持っています。
しかし、その多くは経済的、政治的なものであり、偏っている人も少なくありません。
世の中にはさまざまな知識が存在しています。
中でも、霊的真理は最も重要と考えています。
その理由は、全ての人が深く関っている「法則」について書かれているからです。
アルコールを飲み過ぎると肝臓を壊してしまいます。
その行為が生物的な法則に反しているからです。
子供の頃、わがままばかりを言っていると仲間外れにされます。
わがままな言動に対して法則が働いています。
その結果として孤独になり、苦痛を味わうことになります。
生まれるのも、死ぬのも法則の働きによるものです。
起きている現象に、偶然はありません。
自分の言ったこと、行ったこと以外に、人に知られない自分の想いにまで、法則は働いています。
怒りの想いを抱くと血圧や脈拍は上昇し、悲しみの想いを抱くと涙が出るのも、法則の働きによるものです。
怒りなどの抱き続けると病気になることがあります。
それがいけないことだと、法則の働きによって知らされます。
世の中を動かしている人は、全体に貢献するために、その力が与えられています。
けれども、そのことを信じないどころか、力によって支配しようとする人もいます。
力によって支配できるのは形(外面)だけです。
人の内面まで支配することはできません。
それを知らない人は裸の王様のようです。
内面では、自我が働いています。
自我には、地上で自己表現するための自我(以下地上的な自我)と、霊界で自己表現するための自我(以下霊的な自我)が存在していると考えています。
自我からは、喜び、怒り、悲しみ、怖れなどの感情が生じています。
悲しみ、怒り、怖れは地上的な自我から生じていると考えられます。
喜びには、「地上的な自我」から生じているものと、「霊的な自我」から生じているものがあると考えています。
権力や富を得た時の喜びは、地上的な自我から生じています。
霊的な自我から生じている喜びとは、魂の成長にかかわるものです。
困難や障害を乗り越えた時、愛を表現すること、役に立つことに喜びを感じるのは、法則の働きによって、魂が成長する行いに対して、喜びが感じられるようになっているからです。
私たちは、喜びと痛みによって、成長する方向に導かれています。
愛は、魂から生じている霊的な力です。
地上的な自我(精神)から生じている感情とは次元が異なります。
魂は自我(精神)より高い次元にあるので、愛はあらゆる感情を支配する力を秘めています。
例えば、怒りの感情ですが、許すという自己犠牲(愛)によって鎮められます。
悲しみの感情も、愛によって慰められます。
怖れの感情も、愛によって和らぎます。
苦痛を伴うさまざまな感情を癒すものは愛です。
戦争がいつまで経っても終わらないのは、エゴから生まれた怒りや憎しみの感情を表現しているからです。
因果律の働きによって同じ感情が返って来るだけであり、解決に向かうことは決してありません。
エゴから生じた戦争は、次元の高い愛でしか解決できません。
私たちは苦しみや痛みを通して、そのことを学んでいます。
ところで、地上的なものを得ることに大きな喜びを感じていた人が、霊界に行くとどうなるのでしょう?
喜びを感じられる対象が消滅してしまうために、生きる喜びが感じられなくなります。
魂の成長を促す、霊的な喜びを見い出すために、再び地上に生まれて来ることになるでしょう。
エゴに翻弄されて、戦争を始めた人はさらに哀れです。
自分が与えた、苦しみや痛みや悲しみの1つ1つに、責任を負わなければいけません。
気の遠くなるほど膨大な償いをしなければならず、何度地上に生まれなければならないのか想像も付きません。
知らない人が、やはり1番強いのです。
優しさ、思いやり、友情、寛容、協調、博愛の精神を大切にしてきた人が霊界に行くと、同類の人たちに囲まれて、助け合うことに喜びを感じながら生きるようになります。
誰かが喜ぶことをすれば、自分の成長につながり、自らの喜びとなります。
目に視えない世界では、目に視えない愛に関わるものが何よりも大切になります。
愛が最大の力であることを知ります。
愛を帯びた法則が、宇宙の隅々まで行き渡っています。
法則の働きによって、生命はより高い愛を表現するように進化して行きます。
愛を表現することで、全体は調和しながら、霊的に1つになって行きます。
NGC1961:NASA公開画像より |