子供の頃は、頻繁に夢を見ていた気がします。
中でも1番印象深かったのは、「大魔神」(昔の映画に出て来た悪者を懲らしめる神の化身)に追いかけられた夢です。
逃げても、逃げても、ドスン、ドスンと言う地響きを立てながら、どこまでも、しつこく追いかけて来ます。
よほど怖かったのでしょう、目覚めた時にパジャマが汗で濡れていました。
夢で良かったと、ホッと胸を撫で下ろした記憶があります。
眠っている時に、私たちの意識(魂)は肉体を離れて、霊界に行っています。
シルバーバーチの霊訓には、こう書かれています。
問い「朝、目覚めて、睡眠中の霊界での体験を思い出すことはあるのでしょうか?」
答え「睡眠中、あなたは肉体から抜け出ていますから、当然、脳から解放されています。脳はあなた方を物質界につなぎ止める肉体器官です。睡眠中、あなた方は魂の発達の程度に応じたバイブレーションの世界で体験をします。その時点ではあなた方はそこでの体験を意識しているのですが、肉体に戻って睡眠中の体験を思い出そうとしても思い出すことはできません。それは、霊界での体験の方が地上よりも大きいからです。小さなものは、大きなものを包むことはできません。そのために歪みが生じるのです。」と答えています。
私たちの意識は、夜も眠ることはなく活動を続けています。
しかし、霊界での体験は頭で理解できるものではないので、思い出せないのだと思います。
大魔神の夢ですが、以前、映画を観た時の恐かった記憶が、夢の中で再現されていたのかもしれません。
もしそうだとすれば、フィクションです。
あるいは、霊界で実際に体験していたのかもしれません。
霊界では、思念は具現化します。
自分の思念により、大魔神が作り出されてしまったのかもしれません。
もしそうだとすれば、大魔神と言うフィクションを作り出した、ノンフィクションの夢だったと言えます。
自分の思念で作り出したものではなく、実在している存在が夢に現れる時もあります。
シルバーバーチの霊訓にはこう書かれています。
問い「誰しも夢を見ます。その夢の中で親しい人と会ったことを思い出すことがあります。本当に会っているのですか?それともただの想像ですか?または、会いたいという願望が夢となって現れたのですか?」
答え「実際に会っています。といって想像力を見くびってはいけません。厄介な面もありますが、豊かな創造性も秘めています。純粋で最高の形で発揮された時の想像力は、驚異的な働きをします。未開発の能力を花開かせる、創造的な力になります。全ての夢が霊的体験というわけではありません。潜在意識に蓄積した考えの反映もありますし、夜遅く食べた物の反応もあります。」
問い「その違いは分かりますか?」
答え「分かります。食べた物や潜在意識の場合は、霊的な効用がありません。実際に霊界の愛する人に会った場合は、精神的な温もりや霊的な温もり、充足感を覚えます。その違いは明確に分かります。」
霊的な体験の時には、蝶に口づけされたような気分がすると表現しています。
それでも、頭で拵えたフィクションの夢と、霊界での体験によるノンフィクションの夢の境界ははっきりとしません。
実際に霊界で体験していることだと、もっとはっきりと分かり、覚えていても良さそうなものです。
そうでないのは、何か理由があってのことだと思います。
地上よりはるかに快適で、生きる悦びに満ちた世界が霊界です。
そんな世界があることが、はっきりと分かったらどうでしょう?
眠りに耽ろうとする人も出て来るでしょう。
いっそのこと、霊界に行ってしまうとする人も出て来ると思います。
大変なのを承知した上で、私たちは地上に生まれて来ました。
ホームシックのようになってしまったのでは、何にもなりません。
正式に戻れるのは、寿命が来た時です。
眠っている時にいる霊界のことが、垣間見える程度にしか分からないようになっているのは、自分の意志で早く戻ると言う過ちを犯さないためだと思います。
ところで、私たちが眠る目的は何でしょう?
当然のことですが、肉体を休息させるためです。
肉体が休息をしている時に、意識(魂)は霊界に行き、生命力(霊的エネルギー)を補充していると考えています。
目覚めた時に心が清々しく感じるのは、霊的エネルギーによって、魂が癒されているからと思います。
眠れないと、霊界には行けません。
そこで霊的エネルギーが補充されないと、地上を生きるために必要な精神的エネルギーが不足してしまう可能性があります。
精神的エネルギーは物質的な食事から得られるわけではなく、霊的エネルギーから変換されるものだからです。
精神的エネルギーが不足してしまうと、精神活動が停滞してしまい、日常生活に支障を来してしまいます。
それが、うつと呼ばれる状態かもしれません。
ヒーリングをすると眠くなる人が多いです。
霊的エネルギーが補充されると、心がリラックスするからです。
その逆に、あれこれと考えてしまったり、好ましくない感情が生まれたりする時は、霊的エネルギーが不足しかけているのかもしれません。
過労でうつ状態になり、死を考えてしまうのは、霊的エネルギーが枯渇しかけているためと考えられます。
そんな時は、(仕事を休むなどして)良く眠れるように生活習慣や環境を整えて、霊的エネルギーを補充するように努めなければいけません。
眠れない時は、魂が肉体から抜け出せずにいます。
肉体に縛り付けているものは「思考」です。
脳で思考を止めない限り、魂は肉体から離れることができません。
思考によって、過去の出来事を思い出したり、未来の出来事を想像したりしています。
そして、浮かんで来た出来事に、感情が付加されて行きます。
思い出しては怒ったり、悔やんだり、想像しては心配したり、不安になったりすることもあるでしょう。
そんな自分に気付いたら、意識を現在(今)に引き戻す必要があります。
眠れない時に羊を数える人がいます。
意識を現在に引き戻すのには有効ですが、結局は思考していることになります。
繰り返されている呼吸に、意識を向けるのは有効です。
大きく息を吸ったり、吐いたりすることで、意識は現在に引き戻されます。
腹式呼吸をしている時、横隔膜という筋肉が上下に動いています。
横隔膜は迷走神経の支配を受けています。
迷走神経は副交感神経であり、呼吸を通して意識的に働かすことで、心身の緊張が解けて来るはずです。
現代の人間は考えることが常態化しています。
地上を生きるために、考えることは必要ですが、考えなくても良い時まで、考えるようになってしまっています。
電車の中で、スマホを見ている人が何と多いことでしょうか。
常に頭を使って、何かをしていないと落ち着かないように見えます。
仕事などで思考することを避けられない時はありますが、あまり思考しなくても済む時もあるはずです。
考える癖が付いていたり、頭をフル回転させている状態が続くと、眠る時間になっても脳は休まらずに、その結果、魂は肉体に縛られてしまうかもしれません。
熱いお湯は、直ぐには冷めません。
頭を働かせ続けている自分を意識して、スマホ、パソコン、テレビから離れる時間を作って、頭を休めるように努めることも必要です。
考えなくても良いことまで考えて、そこに感情が付加されることで、いたずらに精神的エネルギーを消耗してしまいます。
不安や心配などの感情は、霊的エネルギーの魂への流入を妨げてしまいます。
霊的エネルギーが足りなくなると、好ましくない感情が生まれて、精神的エネルギーを消費すると共に、霊的エネルギーの流入を妨げて、余計に好ましくない感情が生じるという悪循環に陥ってしまう可能性があります。
眠りは、健やかに生きるために極めて重要です。
適度に運動したり、静かな音楽を聴くことも、眠りに入るために役立つでしょう。
それでも眠れずに、心身が疲れてしまっている人には、霊的エネルギーを補充させるヒーリングが有効です。
必要と感じている人がいましたら、遠慮なくお声掛け下さい。