少年の時、私も宇宙飛行士になりたいと思っていました。
宇宙空間から地球を眺めたかったからです。
スペースシャトルに搭乗した宇宙飛行士の方も、きっと皆そうだと思います。
船窓から地球を眺めて国境線がどこにも見えないことに感慨を覚えるそうです。
地球は限りなく美しい1つの生命体だと言われた方もいます。
地球には多種多様の生物がいて、周りの環境に調和して生きています。
人にはそれぞれ住む国があり、文化や宗教も様々です。肌の色や顔つきも違いますが、広大な宇宙から見れば大した差ではありません。
同じ仲間です。
しかし、地上では争いが絶えることがありません。
お互いを認め合わず、敵対し、さらに好戦的な組織が次々と生まれていきます。
組織を構成している個々の人間は、初めから敵意を抱いていたのではなく、過去に侮辱を受けたり、家族や友人を傷つけられたり殺されたりして、怒りや憎しみの気持ちが生まれて、銃を手にしたのかもしれません。
いかに過激な組織であっても、彼らは彼らなりの理由があります。
9.11テロは赦しがたい非人道的な行為です。
米国は首謀した組織を壊滅させるべく、中東の国々に侵攻して、圧倒的な武力により鎮圧させようとしました。
結果はどうでしょう。
平和は生まれず、混迷が深まるばかりです。
原因は組織ではなく、怒りや恨みそして憎しみにあるからです。
組織を消滅させても、あらたな憎しみを生み出すだけであり、争いが治まることはありません。
力ずくで問題を解決しようとすると一旦は静かになりますが、根本的な原因は依然としてそのままであり、さらに大きな争いが起きることになります。
お互いを認めあい、同じ人間という同胞精神のもと憎しみや怖れを抱かなくなれば、傷つけあうことはなくなるでしょう。
相手と共に生きようとする気持ちを持つことが、平和への第一歩だと考えられます。
話は変わりますが、からだの中にも様々な組織があり、それぞれが欠かすことの出来ない存在として調和して働き、肉体を維持しています。
組織の細胞は絶えず新生していますが、時に細胞分裂が正常に行われず、ガン細胞を造り出してしまいます。
免疫システムの監視をくぐり抜けたガン細胞は増殖を続け病気として発症し、多くの人は恐怖を感じ、それを異端な組織として手術をして肉体から取り除こうとします。
取り除けば肉体上の健康を取り戻しますが、しばらくの期間を経て再発してしまうことがあります。
残された治療法として、抗ガン剤の投与が開始され、終わりのないガン細胞との徹底抗戦が始まります。
敵であるガン細胞は、薬の攻撃を受け撤退していきますが、味方である正常細胞も大きなダメージを受け、強い副作用として現れます。
薬という援軍により、劣勢に回ったかに見えたガン細胞は、耐性という戦略をとり、失地を回復していきます。
より強くなったガン細胞を攻撃するために、さらに強い薬がを投入されることになりますが、強い薬ほど副作用も強くなるのが一般的です。
薬によりガンは強力になっていくのに対し、身体は副作用により徐々に衰弱していきます。
そんな戦争みたいなことが繰り返されていくうちに、身体は傷つき、消耗して力尽きていきます。
そして両者が負ける引き分けとなります。
戦争が生み出すものは、平和ではなく憎しみであり、新たな戦争です。
神の摂理である因果律が働いて、そうならざるを得ないのです。
ガンという病気も、同じに思えてなりません。
薬でガンを攻撃すれば因果律が働き、結果として強く攻撃性を増したガン細胞が生まれてくると考えられます。
根本的な原因は肉体次元ではなく霊的次元にあり、平和、協調、調和を欠いた魂が肉体上に顕れたものがガンであると考えられるからです。
もし、魂が平和、協調、調和を取り戻したなら、肉体のガンも鎮まっていくはずです。
戦争も人々が平和、協調、調和の心を取り戻したのなら、治まってくるでしょう。
すべてを解決することができるのは、「愛」しかありません。
遠い昔、ユダヤの地で「汝の敵を愛せよ」と言った人がいました。
実に難しいことですがそれしかありません。
できたのならすべてが好転します。
ガンは、自らの原因で作り出した、自らの体の一部です。
敵対して攻撃するのではなく、自らの一部として受け入れ、共に生きていこうとし、愛の心でガンさえも包み込むことができたなら、因果律の結果としてガンの存在理由はなくなり、身体に平和が訪れるのかもしれません。
参考ページ: 「ガンは愛により癒される」