仕事で毎日のように虫歯や歯周病になった患者さんを診ています。
病気には必ず原因があります。
虫歯や歯周病は、プラークと言う細菌の塊によって引き起こされます。
従って、ブラッシングを丁寧に行って、プラークを取り除いてしまえば、病気になることはありません。
人間は肉体、精神、霊(魂)から成り立っています。
全ての病気は、肉体(物質)的、精神的、霊的、どこかの次元に原因が存在しています。
細菌は(顕微鏡下で)目に見えるものなので、虫歯や歯周病は物質的次元に原因があると言えます。
虫歯や歯周病でなくても、歯を抜かなければいけない人が多くなって来ました。
それは、歯根破折と言って歯の根が真っ二つに割れてしまった時です。
歯に持続的に力が加わることによって、歯根破折は起こります。
その大きな原因となっているのは就寝時の歯ぎしりです。
歯ぎしりは昼間のストレスを発散するために行われ、食事をする時の5~10倍の力が歯にかかると言われています。
また、甘い物を食べることでストレスを解消しようとする人がいて、すぐ虫歯になってしまう人もいます。
私の医院を訪れる患者さんは、ストレスと言う精神的次元に原因がある人が多いと感じています。
胃潰瘍やうつ病もそうです。
精神的次元に原因があり、肉体(脳)に異常を引き起こしている病気は少なくありません。
けれども、医学の対象はあくまでも肉体(物質的次元)です。
根本的に治すのには、精神的次元に踏み込まなければいけないのですが、それができないために対処療法に終始することになります。
人生において、さまざまな出来事が起きます。
その時に、さまざまな感情が生じています。
うれしいことが起きれば微笑み、腹立たしいことが起きれば眉間にしわを寄せ怒り、悲しいことが起きれば目から涙が出ます。
生じた感情は、肉体で表現されることによって完結しています。
感情は肉体に変化を起こすエネルギーと言えます。
ところが現代社会では、感情を表に出せない局面が多くあります。
上司から理不尽なことを言われても、怒ることはできません。
部下の態度が悪くても、安易に怒れない時代になっています。
いわゆる感情が抑圧された状態になることが多いです。
感情が表現できずに溜まっている状態を、ストレスとして感じていると考えられます。
運動したり、お酒を飲んだりして、ストレスを発散しようとする人は少なくありません。
これは内に溜まっているエネルギーを、別の形で解放させようとしていると考えられます。
感情の中には、恐怖や不安など解放されにくいものもあります。
2016年のカナダの研究では、幼児期に虐待を受けた人は、成人後にがんを発症するリスクが約47%高いと報告しています。(2020年のアメリカの研究でも同様な結果が出ています)
全ての現象は、自然法則(因果律)の働きによって起きています。
解放されない感情が溜まったことが原因となり、結果として肉体上に病気が生じることがあると考えています。
もし心当たりがあるのならば、目を閉じてその時の自分を心の中で思い浮かべて、優しく抱きしめて、親愛の言葉をかけてみましょう。
その時の感情が、涙となって解放されるかもしれません。
霊的次元にも病気の原因(目的)があります。
必要な霊的な資質を得るため、成長を促すための人もいるでしょう。
苦痛を通して、過去の過ちを償うための人もいるでしょう。
寿命が来て、次の世界に移行するための人もいるでしょう。
「いのちのポラリス」というNPO法人があります。
そこには、現代医療に頼らないでがんを自分で治した人たちが集っています。
治った人たちに共通しているのは、がんになり生き方や考え方が大きく変わったことです。
がんを治すためには、それまでの生き方や考え方を変える必要があると、異口同音に言っています。
それとは別のグループがあります。
末期がんの患者さんたちが富士登山を行って話題になりました。
リーダーの医師は、手の施しようのなくなった患者さんの中に自然治癒する人がいて、それらの人に共通するものを見つけたそうです。
それは「がんになってからの方が、がんになる前よりもずっと幸せを感じている」と言うことでした。
周囲の人たちには、がんになり人間が変わったように見えるでしょう。
そうではなく、幸せが感じられるような生き方や考え方に変わるために、自然法則(因果律)が働いて、がんになったと考えられます。
医学に頼らずに治ったのは、生き方や考え方が変わったこと、もっと言えば本来の自分の姿を取り戻したことで、がんになった目的が果たされたからと考えられます。
ほとんどの人にとって、病気は全く有り難くないものです。
けれども、霊的に見ると違います。
病気の苦痛は、それまで眠っていた魂を目覚めさせます。
霊的に目覚めることで、霊的に大切なものが分かるようになります。
大切なものが分かることによって、初めて生き方や考え方が変わります。
がんが生じるのは自然現象です。
自然現象は自然法則の働きによって起こります。
神の心が、自然法則の働きの中に込められています。
苦しみや痛みを感じさせるためではありません。
命を奪うためでもありません。
本当の自分を目覚めさせ、大切なものに気付かせるために存在している、神の御業(愛)です。
命の危機を感じなければ、目覚めなかったのです。
命や愛や人生について、思いを巡らすこともなかったのです。
荒唐無稽と思われるかもしれませんが、敢えて言います。
大切なことを教えてくれている、大切な自分の一部に、愛念を向けて下さい。
その想いが病気を癒すことにつながると信じています。