一昔前は、ガンになっても本人に余命は告げませんでした。
死は忌まわしく、恐いものに感じていた人が多く、ショックを与えないための配慮があったと考えられます。
今は、医者が余命を告げないと訴えられる可能性があります。
患者に知る権利があるにはもちろんですが、以前ほど死が恐いものに感じられなくなったせいもあるのかもしれません。
ここ十数年で「霊」や「魂」と聞いただけで拒絶反応を示した人が少なくなり、信じる人が増えて来たと感じています。
それを裏付けるデータがあります。
2017年のPew Research centerの調査によると、アメリカにおいて「無宗教」だがスピリチュアルな信念(魂の存在を含む)を持つ人が増えていて、特に1980年代生まれ以降の若年層(いわゆる「ミレニアル世代」や「Z世代」)では、「宗教を持たないが魂や霊的存在を信じる」人が急増していて、無宗教者の中でスピリチュアルな概念(魂の存在)を信じる割合は、過去15年間でおよそ30%以上増加したそうです。
死や霊的なことがタブーでなくなり、普通に語られるようになり始め、意識が変化しているのは確かなようです。
この変化は一過性のものではなく、永続的に進行して行きます。
何故なら、魂が存在しているのは紛れもない事実だからです。
魂の存在が信じられる人が増えて行ったらどうなるのでしょうか?
地上と霊界とのつながりが深まって行くと考えられます。
私たちは肉体を携えた魂です。
そのため霊的な感覚が生まれながらに備わっています。
ところが霊的な感覚は、肉体が持つ五感よりはるかに微弱です。
電車に乗った時に、合い向かいの長椅子に座っていた7人全員がスマホを見ていました。
日常生活において、スマホやパソコンを見たり、作業をするなど、五感を働かせて頭を使っている時間が極めて多いです。
五感を働かせて頭を使っている時は、相対的に霊的な感覚は弱くなっています。
もしそうならば、五感や頭の働きを弱めることで、霊的な感覚は強くなるはずです。
目や耳から入る情報が遮断される環境、静かな部屋で目をつむって、何も考えずにいるだけでも(五感や頭の働きは弱められて)霊的な感覚は強くなるはずです。
スマホやパソコンを見るのをやめて、心を空っぽにする時間を持つことは、霊的な感覚を保つために必要と思われます。
霊的な感覚が強くなっている時に、霊界とのつながりも深まっています。
つながりを通して、インスピレーション(思念)を受け取ることもあるでしょう。
インスピレーション(思念)を受け取ると、イメージとして浮かび上がることがあります。
ふと湧いたアイデアや概念は、霊界から届けられたものなのかもしれません。
私は眠りから覚める直前にインスピレーションを受け取ることが多いです。
忘れてしまうのを防ぐ、霊界にいる人の配慮と考えられます。
霊界の人が、地上の人に「うれしい」と伝えたいとします。
「うれしい」という言葉で伝えるのは、霊界にいる人にとって至難の業です。
言葉は五感を通して伝えるために存在する、地上だけの思念の代用品だからです。
「うれしい」の本質は想いです。
その想いは、霊的な感覚を通して伝えるしかありません。
霊的な感覚によって受け取った想いが、言葉に変換されなかったとしても、地上の人に何らかの変化をもたらすかもしれません。
何も考えていないのに、思わず笑みがこぼれた時は、うれしい想いが伝わって来たのかもしれません。
過去に地上の人を愛しむ霊界にいる人の想いが伝わって来た時のことですが、私には何の感情もないのにもかかわらず涙が溢れて来ました。
霊界にいる人の想い(愛)が、地上の人の涙によって表現されることがあります。
霊的なものが見えなくなる地上において必要なのは信じる心です。
「自分を愛してくれている存在といつもつながっている。」
そう信じることで、霊界にいる人とのつながりが深まります。
つながりが深まるほど、地上の人に想いを伝えやすくなります。
地上にいる人同士でも、言葉を超えて相手の想いが伝わって来ることがあります。
一卵性双生児の中には、相手の考えていることや望んでいることが分かる人たちがいます。
肉体だけでなく、魂も似通っているために同調しやすく、無意識の内に想いを交わし合っていると考えられます。
つながりが深まるのに従い、霊界の人から受ける影響も大きくなって行きます。
思いもよらずに行動してしまった、あるいは行動したくない衝動にかられた時は、霊界の人からの想いに知らずに反応している可能性があります。
良心の声に従わせるような想いを投げかけて来ることもあるでしょう。
霊界にいる人は、地上の人の成長を願っているからです。
霊的な能力がある人しか霊界からのメッセージを受け取れない時代から、特別な能力を持たない人でも受け取れる時代になって来ていると感じています。
地上全体が少しずつ霊的に進化して、霊界とのつながりが深まって来たからだと思います。
霊的な感覚は、五感とは別次元のものです。
いくら耳を澄ましても、想いを「聴く」ことはできません。
何も聴こえないからと言って、何も伝わって来ていないと判断するのは誤りです。
心が急に明るくなったり、内側から温かくなるのを感じたり、見守られているような気がした時は、言葉にならない想い(愛)を受け取っているのかもしれません。
そんな時は、次元を超えてつながっていること、変わらずに愛されていることを、霊界に向かって感謝しましょう。