神の存在は信じていませんでした。
宗教上の産物であり、一生無縁と思っていました。
20年前に霊的真理と出会い、その考えは一変しました。
神は存在しています。
ただ、宗教で言われているような、第3者的な存在ではありません。
霊的真理(シルバーバーチの霊訓)で「神は法則」と知りました。
もし法則がなければどうなるでしょう?
石を空に向かって投げると、ある時は地面に落ちて来て、ある時は大気圏外まで飛んで行ってしまいます。
この世界は偶然に支配され、極めて不可解なものになるでしょう。
宇宙の秩序は、法則の働きによって保たれています。
全宇宙と全法則の総称を神と考えています。
神のエネルギーによって全てが創られ、神の法則の働きによって全ての事象が起きます。
神とは全てです。
神には心があります。
神の心を一言で表現するならば「愛」です。
私たちは神の心を表現する、神の一部として存在しています。
人を傷つけたくない、人を助けてやりたい、誰に教えられたわけでもなくそう思うのは、生まれながらに良心と言う神が宿っているからです。
神の心は、法則の働きの中にも顕現しています。
神の心(愛)に反した行いをすると、法則の働きにより苦痛が生じます。
わがままばかり言っていると、仲間外れにされて、孤独という苦痛を味わいます。
神の心(法則)に適った行いをすると、喜びが生じます。
人を助けて喜ばれると、自分まで喜ばしい気持ちになります。
私たちは、痛みと喜びを通して法則の働きを学びながら、愛を表現する方向へと導かれています。
愛は五感に触れません。
地上ならでは経験を通して、愛を認識することになります。
病気や障がいによって、愛の大切さに気付くことがあります。
ベートーヴェンは音楽家としてこれからと言う時に聴力を失いました。
絶望の中で死も考えましたが、苦しみの末に家族や友人そして自分自身への愛を見い出し、生き続けることができたそうです。(第九の中にその過程が表現されていると思います)
医学で為す術がなくなり、追い詰められた人がいます。
ヒーリングを受けて病気の痛みから解放された人の中には、人智を超えた神の愛に感謝する人もいるでしょう。
苦しみや痛みや悲しみの経験は、愛を認識するために、欠くことのできない触媒になっています。
作家の三浦綾子さんの代表作の1つに「塩狩峠」があります。
主人公の青年を乗せた汽車が、峠の頂上に差し掛かった時に連結部が外れてしまい、客車がゆっくりと下り始めてしまいます。
鉄道員でありクリスチャンでもある主人公が、暴走を防ごうとレールと車輪の間に自分の身体を挟んで、大惨事になるのを防いだという物語です。
これは実話であり、イエスの説く自己犠牲を究極の形で体現したものとして書かれていますが、実際に客車に乗っていて命が助かった人たちは、愛について深く考えさせられたのに違いありません。
死によって、愛の意味を知る人もいます。
神の心(愛)を表現すると、神と同調して、神的なエネルギーが流れ込みます。
人に優しくすると、自分の心がほのかに温かくなるのを感じるのはそのためです。
東日本大震災があった直後のワールドカップで、なでしこジャパンは奇跡的な優勝を果たしました。
ダメージを負った日本のためにと奮闘している時、神の心と同調して、神的なエネルギーが流れ込んで、想像以上の力が発揮されたと考えています。
塩狩峠で殉死した青年ですが、乗客を助けようと言う想いが、神の心と同調して、神的なエネルギーが流れ込んで、死の恐怖から免れていたと考えられます。
イエスの「全き愛は恐れを知らない」と言う真理を実践していました。
これ以上、地上を生きる必要がないほど、霊的に進化していたと考えられます。
死んで霊界に行くと肉体はなくなり、五感は消滅します。
地上で視えている物は視えなくなり、地上で視えない思念が視えるようになります。
愛が光輝となって、魂から放たれているのが分かります。
地上で愛を深く知ることで、より高い愛を表現できるようになっています。
試練を乗り越えて来たことで、より強い愛を表現できるようになっています。
生れる前より光輝を放つようになっていたのなら、地上の経験は活かされたことになります。
愛を表現することが何故必要なのでしょう?
創造的なエネルギーが物的なエネルギーに変換された瞬間、宇宙が誕生したと考えています。
物的なエネルギー(肉体)に、霊的なエネルギー(魂)が宿った瞬間、生命体が誕生したと考えています。
物的な存在が引力により引き付け合うように、霊的な存在は愛により引き付け合います。
ばらばらになった個々の生命が、愛によって引き付け合い、霊的に1つになって行く、それが宇宙を創造した神の意志と考えています。
愛が引き付け合うのに対して、愛に反する想いは反発し合います。
今、世界で起きている争いは、愛に反する想い(怒り、憎しみ、恨み)が表現された結果です。
地球が1つの生命体であり、強烈なオーラを放っているのを感じるでしょう。
人を傷つけるのは、自分を傷つけるのと同じであり、最も愚かな行為であることに気付くでしょう。
個々の生命は、全体のためになくてはならない存在です。
運命共同体であり、霊的につながっています。
全体が見えなくなってしまうと、そのことに気付けなくなります。
苦しみや痛みを伴いながら、愛を表現する方向へと向かっています。
長い、長い年月をかけて、法則の働きによって、世界は1つになって行きます。