生まれた時、人はただ泣き叫ぶことしか出来ません。
それから1年位経ってからでしょうか、つかまり立ちをするようになります。
しばらくすると、ふらつきながらも、最初の1歩を踏み出します。
小学生に上がる頃になると、自転車に乗ろうとします。
最初は、バランスを崩して転んでしまいます。
何回も転びながら、練習して行く内に、上手く乗れるようになります。
初めて何かをする時、その人にとっては挑戦です。
挑戦には失敗はつきものです。
時に痛い思いをしながら、少しずつ出来るようになって行きます。
いつからでしょうか。
失敗を恐れる様になったのは。
小さな頃は恐れることなく挑戦して、色々なことを覚えて行ったのに、大人になると失敗を怖れて挑戦をためらってしまいます。
誰でも失敗は嫌です。
失敗すると、気落ちします。
責任を取らなければならない時もあり、人から非難されることもあります。
挑戦とは、失敗のリスクを背負うことです。
それでも挑戦しなければならないのは、自らが進歩するためです。
挑戦なしに、進歩もありません。
挑戦する時に必要なものは何でしょう?
それは勇気です。
自分を信じることで、挑戦する勇気が生まれます。
ところで、自分を信じるとは、どんなことでしょう?
自分が秘めている力を信じることだと思います。
その力は、想像している以上に大きなものと考えられます。
本当の自分は魂です。
地上では、魂から生じた思念(想い)が、肉体によって表現されています。
その間に介在しているのが精神であり、肉体や地上の環境の影響を強く受けながら、絶えず変化しています。
本当の自分は、自らを成長させるために挑戦しようとします。
しかし、精神上に作られた地上的な自我(以下自我)の制約を受けることになります。
自我は、頭脳を駆使してリスクや損益を計算し、その挑戦が妥当であるかを吟味します。
リスクが高く、益が少ないようであれば、その挑戦を止めさせようとします。
挑戦しようとする自分(魂)と止めさせようとしている自分(自我)の間で、葛藤が生じます。
どちらが優勢になったかで、どうするのかが決まります。
挑戦を止めるのは簡単です。
自我によって理由はいくらでも拵えられるからです。
後付された理由によって、挑戦しようとしている自分の想いが封印された瞬間、挑戦を止めることになります。
挑戦の先に待ち受けているのは、未経験の困難や障害です。
楽な道ではありませんが、その困難や障害を乗り越えて行く中で、自分が成長して行きます。
大変な思いをしてまで挑戦しようとするのは、本当の自分(魂)が成長することを望んでいるからです。
魂には、神が内在しています。
自分を信じるとは、自分(魂)の中にいる神を信じることだと思います。
信じることで、内在している神の力が発揮されるようになります。
神の力は無限です。
信じるほど、より多くの神の力が発揮されます、
目的が成就されて行くことになります。
挑戦するものが、人や動物や社会のためになるものであれば、何も迷うことはありません。
自然法則の働きに合致しており、祝福されているからです。
最初は上手く行かなくても、最後には必ず目的は成就されます。
挑戦しても、予期した結果が得られない時があります。
挑戦する目的は、結果を得るためではなく、自分が成長するためです。
地上的な結果を残すよりも、霊的に成長した方が、はるかに価値があります。
もし、挑戦の意味が結果を出すことであれば、不公平が生じます。
同じ労力を注いでも、結果が出る人もいれば、出ない人もいるからです。
挑戦していることに意味があり、その過程で魂が成長することによって、完璧な公平が保たれています。
挑戦を後押ししている存在がいます。
私たちには、目に視えない霊界の存在が、生涯に渡り付いています。
地上の人の成長を願い、挑戦する方向に導いています。
挑戦するのか、止めるのかを決めるのは、あくまでも地上の人です。
霊界の存在は干渉出来ません。
固唾を飲んで、一歩を踏み出すのを見守っています。
挑戦することを決め、一歩を踏み出した時から、目的を成就させるように働きかけます。
力付ける、勇気が出る思念を送って、地上の人を前進させようとしています。
それが付いている、最大の目的です。
挫折するための挑戦、無理な挑戦はありません。
目の前にやって来るのは、自分を成長させる挑戦です。
挑戦することは、自然法則の働きによって生じていて、成長させることが目的だからです。
どちらか迷ったら、挑戦する方を選んで下さい。
そして、自分を信じて、背後にいる霊的な存在を信じて、進んで行けば良いのです。
目に視えない力が働いて、成就する方向に進んで行きます。
挑戦には、不安や怖れが付きものです。
自分を守ろうとしている、自我から生じています。
不安や怖れは成就させる力の流入を妨げてしまうので、心の中から排除するために、自分の中に神がいる、背後の存在から援助があると、強く信じて下さい。
信じることによって霊界とのつながりが強くなり、挑戦を成就させる力が流入して来ます。
その力によって、不安や怖れが押し流されるのを、実感できるかもしれません。
自我から生じる不安や怖れよりも、その力の方がはるかに強いのです。
死んでこの世の人生を振り返った時に、挑戦するか、止めるかの岐路に立っている自分を見ます。
挑戦する方を選んだ自分を見て喜び、止めた自分を見て悔しがるでしょう。
成長の機会をものにしたのか、生まれて来た意味を成就しているのかが、かかっているからです。