梅雨明けが長引いています。
何十年かに一度と言われるような集中豪雨が、どこかで毎年のように起こり、多くの人が亡くなり、甚大な被害が出ています。
2020年7月熊本豪雨 |
近年の気象変動は、地球温暖化が原因と言われています。
地球温暖化は、大気中に含まれる二酸化炭素(以下CO₂)の量が増えることで、太陽から受け取ったエネルギーが大気圏外に放射されにくくなるために起こると考えられています。
一般財団法人 家電製品協会のHPより |
地球上で、CO₂をたくさん出しているのは、言うまでもなく人間です。
CO₂は目に視えるものではありませんので、自分が出していると言う認識に欠けてしまいます。
「ゆでガエルの法則」をご存知でしょうか?。
カエルは、いきなり熱いお湯に入れると驚いて逃げ出します。
しかし、常温の水に入れて徐々に水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い、最後には死んでしまいます。
ゆっくりと進む環境の変化に、生物が対応するのは難しいのです。
今まさに、私たち人間はゆでガエルになりつつあります。
少し危ないのかなと思っている程度ですが、実際は危機的な状況にあります。
人間が出したCO₂によって、人間が苦しむのは仕方がありません。(余分なCO₂を出していない生活をしている人間もいますが)
しかし、何の罪もない動物たちが、温暖化の被害を被るのは許されることではありません。
北極クマのこの惨状は、地球温暖化による海氷の減少により、餌となるアザラシの捕獲が十分に出来ないことが原因と考えられます。
人間が出すCO₂が原因で温暖化が進行し、数知れない動物たちが苦しめられ、死に追いやられている現実を直視しなければいけません。
ところが、人間はそんな現実に目を背けて、身勝手な活動を続けています。
人が生きて行くのに必要なのは、水と食料と衣料と居住です。
時代と共に、物的な欲望が肥大化し、生きて行くのに必要のないものまでも欲しがるようになりました。
大きな家に住み、たくさんの物に囲まれ、好きなところに行ける生活が豊かだと思っている人は多くいます。
1人の人が出しているCO₂を、見える化してみます。
呼吸によって出しているCO₂の量は1日約1Kgです。
平均すると1年間で11.4Kgの衣服を買っていますが、これは車で2400㎞を走ったのと同じCO₂を出している計算になります。
部屋で2.0kW(6畳用)のエアコンを16時間稼働させると、1日に16Kg 以上のCO₂を出していることになります。
燃費が10㎞/ℓの車で100km走ると、23KgのCO₂を排出しています。
1人の日本人が1年間に出しているCO₂は、9トン強と言う膨大な量です。
人や動物が出しているCO₂は、植物が光合成をすることによって酸素に還元されます。
動物と植物は完全な共生関係にあり、その関係は何十億年も崩れることはありませんでした。
何年か前から、朝の散歩で通る河の護岸に、見たこともない樹木(下の写真)が生い茂るようになりました。
その樹木は驚くほど速く成長し、数年で見上げるほどの高さになりました。
名前は「マルンガイ(西洋わさびの木)」と言い、主に(亜)熱帯に生育し、他の樹木の20倍ものCO₂を吸収するのが特徴です。
大気を浄化するような樹木が人知れず育っているのを見て、大自然の絶妙な営みを感じました。
ボストン大学の研究では、CO₂の増加に伴い、砂漠化と並行して、33年間で米国の約2倍の面積が地球上で緑化されているそうです。
このような植物が世界中のいたるところで繁茂することによりCO₂を吸収し、大気の濃度を一定に保とうとしているのですが、人間が出しているCO₂の増加には追い付けないようです。
多くの人は、因果律の働き知っています。
物を買ったり、移動をすればCO₂が出されて、温暖化が促進されることを。
それでも、今の生活を変えようとしないのは、自分一人ではどうにもならないと諦めているのか、それとも変えたくないのかのどちらかです。
どちらにせよ、地球全体から見れば、利己的な考えであることに変わりありません。
そんなことを言っている私も、車で通勤し、照明やエアコン、パソコンなどの家電製品を使い、たくさんのCO₂を出しながら生活しています。
現代社会に生きる私たちにとって、他の動物のように呼気からCO₂の排出だけで生活することは不可能です。
出来ることと言えば、物をあまり買わないことです。
しかし、必要なものだけを買っても、CO₂を出しています。
ネット通販の過剰包装には目を疑うものがあります。
消しゴム1個を注文すると(過剰包装を訴えるサイトより) |
しかし、猛暑の中、エアコンを使わずに生活するのは至難の業です。
出来るだけ移動をしないことも大切です。
しかし、人に会ったり、用を足すために、いろいろな場所に行かなければなりませんし、旅行の1つもしなければ、人生が物足りなく感じてしまいます。
今の生活を変えようと思っても、なかなか変えられないのが実情です。
そんな人間の事情におかまいなく、CO₂の排出は増え続け、温暖化は急速に進行しています。
自然法則は厳格です。
法則に反した行いには、報いが返って来ます。
人間の行き過ぎた欲望が、地球温暖化となって返って来ています。
そのことに気付いている人は多くいても、自助努力ではどうすることも出来ない段階になったので、次の因果律が作動してしまったのかもしれません。
勧告から、強制執行に移ってしまった様な気がしています。
新型コロナウイルスの流行が起きました。
その後、世界中の人々の移動は止まりました。
工場の稼働も止まりました。
どこにも出かけられず、家の中にいることを強いられました。
店舗は休業し、生活必需品以外のものは買えなくなりました。
自宅で仕事をするようになりました。
その結果、全世界で今年4月におけるCO₂の排出が最大17%削減されたそうです。
スモッグがなくなったインド・ニューデリー |
水路が浄化されたベネチア |
緊急事態宣言下の澄み切った空の東京 |
環境省が出した「地球温暖化と感染症」という報告書があります。
その中に「温暖化によって媒介動物の分布域が拡大する傾向や、高温化に伴って感染力が増大する傾向などが見られることは、温暖化による影響評価を試みている多くの研究成果が示唆しています。」と書かれています。
新型コロナウィルスの流行は、大量のCO₂を出す人間の過った生き方と因果関係がありそうです。
人間の飽くなき物的欲望が、ウィルスを流行させてしまったのではないでしょうか。
誰もが、ウィルスの感染を怖れています。
地球規模で人間の行動を変容させられるのは、ウィルスだけです。
地球環境を改善する最も有効な手段が、ウィルスの流行だったと思います。
ウィルスの流行が終わった後、人はどうなっているのでしょうか?
大不況が到来すれば、物が売れなくなるでしょう。
生命の危機に晒されて魂が目覚めて、物的なものに喜びを感じなくなる人が現れるような気がします。
余暇を、旅行ではなくボランティアなど奉仕活動に充てる人も出て来ると思います。
内面的な変化から、CO₂を出さないような生き方に変わる人が増えるでしょう。
ウィルスの流行は突発的なものではありません。
自然法則の働きに従って起きています。
全ての事態に備えたプログラムが、自然法則の中に包摂されていて、人間を含めた生物の行動が制御されていると考えられます。
また元に戻ってしまい、さらに温暖化が進んだのなら、もう一段階進んだ因果律が作動するような気がします。
致死率や感染率が高いウィルスが出現して、人間が大胆に間引きされて、徹底的な行動抑制を強いられるかもしれません。
その結果、ようやく温暖化に歯止めがかかるのかもしれません。
頭の中で判っているだけではだめであり、それを行動に移さなければなりません。
行動に移さなければ、自然法則の働きによって、痛みや苦しみを感じながら、変わって行くしかありません。
ウィルスの流行は、人間にとって災い以外の何者でもありません。
しかし、地球全体から見れば浄化の一環です。
今まで温暖化で苦しめられて来た動物たちにとって、この現象は恩恵そのものであり、救いのように感じられるでしょう。