シルバーバーチの霊訓に、こんな一文があります。
「地球は宇宙の惑星の中で最も進化の程度の低い部類に属します。」
人類は宇宙へロケットを飛ばせるくらいなので、かなり進化していると思っていたので意外でした。
科学技術の発達は、どうでも良いことなのかもしれません。
進化の程度は霊性の発達によって決まります。
地球はどうでしょう?
最も進化していると言われる人間が、お互いに傷つけ合っています。
他の生命を虐げています。
そして、多くの生命が暮らしている地球を汚しています。
霊界から見ると、とても進化しているようには見えないのでしょう。
高度に進化している惑星はどうなっているのか想像してみました。
争いなどなく、助け合いながら生きているでしょう。
それぞれの生命が果たしている役割りを知っていて、互いに尊重し合っているでしょう。
文明に溺れることもなく、自然と調和した生き方をしているでしょう。
物的世界に生きていながら、神の摂理(自然法則)の働きを遵守していると思います。
人類が一足飛びに進化するとは考えられません。
摂理の働きに反した行いをして、因果律の働きにより苦しみや痛みを味わい、摂理を学びながら、少しずつ進化して行きます。
その行程が、霊界から見ると歯痒く感じられるのでしょう。
初めから摂理の働きを知っていれば、無用な苦痛を味合わずに済むので、あらゆる手段を講じて地上に霊的真理を普及させようとしていると思います。
けれども、真理の普及は容易ではありません。
地上に生まれると、五感により外部を認識するようになり、それに伴い霊的な感覚が失われ、目に視える物が絶対的なものになるからです。
意識は自分(肉体)に向かうようになります。
自分が1番可愛くなり、他者への関心が薄れて行きます。
戦争が起きても、飢餓で死んでいく人がいても、自分には関係がないように思えてしまいます。
人間の重要な役割りの1つに、地上にいる動物の進化を促すことがあります。
愛を与えることによって進化が促されますが、現実は多大な苦痛や恐怖を与えています。
おびただしい数の牛や豚やニワトリが、酷い環境で飼育され、恐怖を味わいながら殺されています。
人間の食料になるために創られたわけではありませんし、人間の身体も肉を食べるように創られていません。
動物たちが果たしている真の役割りを、まだ知りません。
多くの物を持っていると、豊かになったような気がします。
悲しいことに、物質的な欲望には際限がありません。
手に入れても、しばらくすると飽き足りなくなり、もっと欲しくなります。
物を持つことで豊かになったという錯覚が、地球環境を壊しています。
シルバーバーチの霊訓にはこう書かれています。
「唯物主義はその本質が貪欲、強欲、自分第一主義に根ざしています。同じ天体に住んでいながら、自分以外の者への思いやりも気遣いも考えず、ひたすら快楽と蓄財に励みます。敵対関係、戦争、怨念ーこうしたものを生み出すのは唯物主義です。物質がすべてである、死はすべての終わりである、だったら自分の思うままに生きて何が悪い、と言う論法です。こうした自己中心の考えが地上界に暗黒と困難、闘争と暴力と憎み合いを生み出すのです。」
目に視えるこの世界がすべてだと思うと、利己的になりがちです。
目に視えない世界が存在し、死んだら誰もがそちらに移行します。
そのことが客観的に証明されれば、世界は大きく変わるでしょう。
けれども証明されたら、この世に見切りをつけて、そちらの世界に行こうとする人が後を断たなくなると思います。
未熟な人間がそのような過ちを犯さないために、神の配慮によって証明されないようになっていると考えられます。
世の中は急速な勢いで、2極化が進んでいます。
同じ惑星の中で、貧困で飢えて死にそうな人もいれば、莫大な富を持っている人もいて、その差が著しくなっています。
イエス・キリストがこんなことを言っています。
「金持ちが神の国に入るより、ラクダが針の穴を通る方がやさしい」
持てる者が持たざる者に分け与えないのは、想像以上に罪なことなのかもしれません。
生活して行くためにはお金は必要であり、あるのに越したことはないと思ってしまいますが、利己主義に陥らないように気を付けなければいけません。
支えになっている言葉が、シルバーバーチの霊訓にあります。
「あなた方の人生は楽ではありませんし、これまでも楽ではありませんでした。しかし、そうした問題に関わる法則があります。施す人は決して困窮することはない、必要なものは必ず与えられるというものです。そのためには、経験によって得たことを人生の中で精一杯表現することです。そうすることで神との絆が強くなることを悟るでしょう。その絆を強くすればするほど、援助と力が流れる通路として、今まで以上に役立つことができるのです。」
人や社会のために役に立とうとしていれば、贅沢はできないけれども、生活して行くことはできるようです。
「神の愛の宣教者会」という組織があります。
1950年にマザーテレサによりコルカタに創設されましたが、その後、拠点は増え続けて、現在世界145か国にあります。
貧しい人、困っている人、弱った人たちを救うためにと言う動機が摂理に適っているために、神から援助の力が与えられていると思います。
援助の力は、人間に内在している神を通して、奉仕活動や寄付という形で与えられていると考えられます。
社会においても、摂理の働きは認められます。
社会貢献を目的にし、利益を社会に還元している会社は、摂理に適っているので、末永く発展して行くと考えられます。
一方、利益だけを追求している会社は、動機が利己的で摂理に適っていないために、一時的に発展しても、いずれ衰退して行くと考えられます。
見せかけの社会貢献は通用しません。
神を欺くことは不可能であり、奥底にある動機に摂理が働いているからです。
私の家の裏に、ある乳飲料製造販売会社の保育所がありました。
保育料は格安で、小さなお子さんのいるお母さんたちに、安心して働いてもらう配慮がありました。
商品に価値があるのは当然ですが、時代に先駆けて外で働きにくい女性の雇用を創出し、守り続けて来たことも、会社が長く存続している大きな理由になっていると考えられます。
人や社会や国、そして人類全体にも神の摂理が働いています。
摂理を遵守することで、繁栄して行くようになっています。
「四海同胞、協調、奉仕、寛容─こうした精神こそ人生の基本であり、これを基礎としない限り真の平和はあり得ません。持てる者が持たざる者に分け与えることによって互いに奉仕しあい、睦みあい、援助しあうこと─この単純な真理は繰り返し繰り返し強調しなければなりません。」
シルバーバーチはこう言っていますが、争いに費やされる人やお金を、困窮している国や人のために分け与えれば、世界はどんなに良くなるだろうかと思ってしまいます。
分け与えるもので、もっとも価値のあるものは、やはり霊的真理(神の摂理)です。
真理を知れば、物的なものも分け与えるようになり、人や動物を傷つけたり、苦しめたり、悲しませることができなくなります。
真理が広まるのに従い、進化の速度は早まり、地球は「最も程度の低い部類」から抜け出すことができるでしょう。
進化をしながら、霊的に1つになって行きます。