2025年8月12日火曜日

日航機墜落事故の遺族を支えた「シルバーバーチの霊訓」


40年前の今日、群馬県御巣鷹の尾根に日航ジャンボ機が落ちて、520名の方が亡くなられました。

ご遺族の中に、河口慶子さんという方がいます。

事故で夫の河口博次(享年52歳)さんを亡くしました。



博次さんは、墜落前の機内で、以下のメッセージをご家族に書き残しました。

「マリコ 津慶 知代子 
どうか仲良くがんばって ママをたすけて下さい
パパは本当に 残念だ きっと助かるまい
原因は 分らない 今5分たった
もう飛行機には 乗りたくない
どうか神様 たすけて下さい
きのう みんなと 食事したのは 最后とは 
何か機内で 爆発したような形で
煙が出て 降下しだした 
どこえ どうなるのか
津慶 しっかり た(の)んだぞ
ママ こんな事になるとは 残念だ 
さようなら 
子供達の事を よろしくたのむ
今6時半だ 
飛行機は まわりながら 急速に降下中だ 
本当に今迄は 幸せな人生だったと感謝している」

ダッチロールを繰り返す機内で、このようなメッセージを書き残せたのは、ご家族への強い想いがあったからに違いありませんが、奇跡と言えます。

2010/8/10  日本経済新聞 電子版より
ご遺体の服がびしょびしょに濡れている中で、このメッセージが書かれた手帳は濡れていなかったそうです。

「何も言わずに消えることはどうしても避けたい、絶対に伝えなきゃという気持ちが、ちゃんと自分たちの手に届くように守っていた」と、ご家族は感じたそうです。



この魂の叫びのようなメッセージを見て、慶子さんの魂は目覚めたと思います。

事故から5年後、光の彼方へ:死後の世界を垣間見た人々(TBSブリタニカ、レイモンド・A・ムーディ著)を翻訳しました。

当時の世の中は今よりも霊的なことに否定的だったので、悲しみの末に少しおかしくなってしまったのではと思った人がいるかもしれません。

けれども、ご本人にとって、そんなことはどうでも良く、使命として感じていたのでしょう。



「訳者あとがき」にはこう書かれています。

「主人は1985年8月ジャンボ機の事故で、この世の命を終えております。私どもに宛てて遺しました「走り書き」には、「どうか神様助けてください」という一行がございましたが、生前は、「人間は死んだらどうなると思う」という私の再三の問いについても、「何にもなくなるさ」と答えておりました。でもやはり、死んでみてそうではないことを知り、私にこの本の翻訳をさせてみて、みなさまに読んでいただきたいと思ったのではないかという気がいたします。(ムーディ博士の第一作「垣間見た死後の世界は出版当初に読んでおり、亡き主人が私に望んでいる仕事かもしれないと思い、翻訳させていただくことにしました。)」

専業主婦で経験のない自分にできるのかと心配されたかもしれませんが、極限状態の中であのメッセージを書き残したご主人のことを考えると、できないことは何もないと思い、引き受けたのかもしれません。



慶子さんは、ご遺族や事故後に知り合った多くの人たちに「古代霊は語る:シルバーバーチの霊訓より」(潮文社、近藤千雄訳、現在は絶版)を、こんな文章を書き添えて送っています。

「ここにお届けする本は、昨年私が本屋で見つけて読みはじめ何度も何度も読んでいたものでございます。これが今回の事故に際して、何ものにもまして私を支えてくれました。常の時ならば、このような本をお勧めするのも躊躇するのですが、少しでも興味をお持ち下さってお読み頂ければ、これに増した喜びはございません。」



自分がいない中で、立派に子供を育て上げ、霊的な真実を広めている慶子さんの姿を見て、ご主人も誇りに思っているはずです。

近況は分かりませんが、もう再会されているのかもしれません。


御巣鷹山の夕焼け雲






0 件のコメント:

コメントを投稿