2024年2月11日日曜日

変わることで苦しみから解放される


月面に立つアームストロング船長(NASA)

1969年7月、アポロ11号のアームストロング船長が、人類で初めて月面に立ちました。

テレビのニュースでその様子を見ていましたが、この世の光景とは思えませんでした。

その後もアポロ計画は続きますが、月に向けて航行中の13号は、地球から32万キロ離れた宇宙空間で酸素タンクの爆発という致命的なトラブルに見舞われました。

乗組員を生きて地球に返すために、NASAは叡智を結集して解決策を探ります。

その場でロケットを減速し、方向転換させ、地球に引き返させるのは不可能です。

5万キロ先にある月の裏側をぐるっと回って、遠心力を利用して地球に戻って来る計画が立てられました。

計画は実行に移され、全員無事に帰還することができました。

その出来事は「最も成功した失敗」と言われています。



超高速で進んでいるロケットを停止させるのには、大きなエネルギーを必要とします。

ロケットに「慣性の法則」が働いているからです。



人生にも、同じような法則が働いている気がしてなりません。

ひたすら前(未来)へ向かって進んでいるので、過去に留まろうとすると大きなエネルギーが必要になると思います。


勢い良く流れる河の中にいると、水の抵抗を強く受けて、その場に留まっているのは難しいです。

流れに身を任せると、抵抗はなくなります。

水の流れに抗うのには、やはり大きなエネルギーが必要です。




人間は、絶え間なく変わって行く存在です。

ある時点を境にして、肉体は衰えて行きます。

それは老化現象であり、自然法則の働きによるものです。



魂も肉体と同じです。

地上でさまざまな出来事を経験しながら、真の自分である魂は変わって行きます。

生き続け、変わり続ける宿命にあります。




変わらないでいようとするのは、水の流れの中に留まっているのと同じです。

自然法則の働きに反しているので、抵抗を感じます。

それを苦しみとして感じます。

苦しいから変われないのではなく、変わらないから苦しいのかもしれません。




強烈な出来事を経験することによって、自分が変わる瞬間があります。

その出来事は、魂を変えるために、計画的に起きていたのかもしれません。



変えるために起きていたのにもかかわらず、変わらないこともあります。

例えば、こんな経験はないでしょうか?

他者から忠告を受けて、プライドを傷つけられ、怒ってしまった。

失敗をして、他のせいにしてしまった。

高いノルマが与えられ、不平不満を言ってしまった。

それらは地上的な自我(以下エゴ)の働きによるものです。

せっかく忠告してもらっても、怒ってしまえば、変わらないでしょう。

何かのせいにしてしまえば、失敗から学ぶことはできず、変わらないでしょう。

不平不満を言いながらでは、ノルマを達成したとしても、変わらないでしょう。

このように、エゴの働きによって、自分を変えるための力が奪われてしまうことがあります。




いつの日かあの世に行きます。

そこが本来の住処です。

地上に生まれて来るのは、いろいろな出来事を経験することで学び成長し、あの世での人生を豊かで悦びに満ちたものにするためです。



あの世で、この世を振り返る時が来ます。

自分を変えることができたのに、エゴの働きによって、その機会を逸してしまったことに気付きます。

予定されていた出来事だったのに、変えることができなかったのならば、後悔は免れないでしょう。

地上に生まれた目的の1つを、果たせなかったことになるからです。



必要があれば、何度でも地上に生まれて来ます。

今生で変えることができなかったのならば、来生で変えることになるでしょう。

結局は、どこかで変えなければならないのです。



帰還したアポロ13号
アポロ13号で事故が起きた時、船長であるジェームス・ラベルは「私は必ず帰れる」と信じていたそうです。

エゴに支配されて、悲嘆したり、絶望したり、運命を呪っていたのなら、地球に帰って来れなかったでしょう。



人生も同じかもしれません。

起きた出来事に、どう向き合うのかが問われています。



エゴの囁きに負けてはいけません。

勇気を出して、自分を信じて、前に進んで行きましょう。



自分が変われば、苦しみから解放されるはずです。

宇宙を支配している自然法則(神)は、地上にいる私たちを苦しみと痛みを通して、成長進化させる方向へと導いているからです。


7 件のコメント:

  1. イクミ様。

    先日、彼の命日に彼の住んでいた町に行きました。

    あれから5年が経ちました。

    今でも、あの頃の出来事が夢の中の出来事の様な不思議な感覚です。
    今のこの時もどこか不思議な感覚で生きています。

    帰り道、彼からと思えるサインがありました。

    そして帰りの電車で、珍しいくらいの大きな虹が出ているのを見ました。

    次元の違う場所で暮らす彼はいつもどんな時でも私にあの頃の様に話してくれます。

    その度、会いたい。そう思ってしまいます。

    必ず会える。
    もうすぐ会える。

    そう思って、もう5年です。

    次会える時はどんな話しをしようか。
    あの頃の様に、他愛も無い話で笑いたい。

    そう願うばかりです。

    紀子。

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  2. 自分を変えられない苦しみ、分かります。
    いつまでもいつまでも堂々巡り。

    他者を責め、自分の悪しき部分に気付かない。

    私もそんな部分がありましたがなんとか気付いて治すことができて良かったと感じます。

    おかげで今は感謝の気持を持って、家事やや仕事に打ち込めています。

    大切なお話、ありがとうございました。

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  3. 紀子様

    おはようございます。
    もう5年経つのですね。
    まだ5年、もう5年、どちらの想いもあるとお察しします。
    あの頃は、紀子様にとって夢のような、生きる喜びに満ちた時間だったと思います。

    彼の住んでいた町に行って来たのですね。
    サインを受け取ったり、大きな虹を見たのですね。
    とてもうれしかったでしょう。

    話しかけてくれるのが、良く分かるようになったようですね。
    彼は前より安心して見守ってくれていると思います。

    いつになるのかは分かりませんが、必ず会えます。
    別々の次元で過ごす時間が何十年であっても、1日しか会えなかったかのように、きっと会話が始まると思います。
    お二人の関係は、途切れることもなく、今も続いているからです。

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  4. しはん様

    初めましてイクミです。

    そうですね、自分の悪しきところ気付かない人は、他者の悪しきところばかり目が行き、責めてしまうことが多いです。
    因果律の働きにより、苦痛を伴う事象が起きて、自分の悪しきところに気付く人もいます。
    苦痛を味わっているにも関わらず、気付けず、変われない時は、もかしたらカルマが存在しているのかもしれません。

    霊界にいると変えることのできない自分の悪しき部分を、地上でさらけ出して、苦痛を味わいながら、変えて行くのだと思います。

    感謝の気持ちを持って生きることは、何より大切なことだと私も思っています。
    そのお気持ちを、ずっと忘れずにいて下さい。

    コメントを送っていただき、ありがとうございました。

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  5. お返事いたたき恐縮です。

    一つだけ教えてもらえるとありがたく思います。

    この世で法に触れるようなことをした場合、例えば、人をあやめたり、戦争を起こしたり。
    もしくは身近なところだと、架空請求詐欺や不倫など色々と悪しきことはありますが…。

    そのような場合でも、きちんと自分の罪に気付いてこの世で償うことさえできれば、あの世に行ってから許されることはあるのでしょうか?

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  6. しはん様

    大小さまざまな悪しきことが、日常的にこの世では行われています。
    その1つ1つに自然法則は働ていて、結果が生じます。
    結果が生じて、社会から制裁を受けることもあります。
    苦痛を伴うものであれば、それが霊的な償いになっていると思います。
    社会から制裁を受けなかったとしても、自分の中にいる神(良心)によって、いづれ裁かれることになります。

    自分の罪に気付いて償って行けば、神の法則に照らし合せて、清算されて行きます。
    善行や奉仕活動に励むのも償いになっていると思います。
    人や動物や社会のためになることであれば、それで良いと思います。

    償いが終わった時点で、許されているはずです。

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  7. イクミ様、承知しました。
    ただ、罪を犯した人間がその罪に気付くことなく他のことで社会貢献したところで、罪償いにはならない気もしているのですが。
    私自身はきちんと自分の行いを反省する必要があると思い、素直に悪しき点を正面から向かい合ってきました。
    とはいえ、世間からしたら社会的制裁を与えるほどの罪でも何でもなく、単純に自分の中での話ではあります。
    これからも我が身を振り返りつつ真っ当に生きてまいります。

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