2013年12月20日金曜日

心のしこり



世の中で起こることすべてに、原因があります。

私が、保険医の取り消しという処分を受けたのも、不正な行為をしたという明確な原因がありました。

交通事故でも、スピードの出しすぎ、注意力の散漫、あるいは寝不足など、何らかの原因が存在して起こります。

最近、春や秋が短くなってきたのを感じていますが、これも地球温暖化の現れと考えられ、人間が出すCO2が原因と推察されます。



一見、偶発的、突発的と思われる事象にも、必ず原因が存在します。

病気も、何らかの原因があって生じたのは間違いのないことです。

一見、関係のないこと事象が原因となって、結果として表に現れてくることがあります。



ある女性に虫歯ができて、私の歯科医院を訪れたとします。

虫歯を削って取り、そこに樹脂を詰めて治療が終わります。

しばらくして別の歯に虫歯ができて、痛くなりまた来ます。

再び治療をします。

また別の歯に虫歯ができて来ます。

これは普通ではないと考えて、患者さんに「最近、甘いものをたくさん食べていませんか?」と尋ねます。

すると「食事はあまり食べないで、お菓子ばっかり食べています。」と答が返ってきます。

「一体、どうしたのですか?」と聞くと、「実は、付き合っていた彼と別れてしまい、紛らすために甘いものばかりを食べていました。」と答えたとします。

虫歯の原因が失恋のせいだとは、本人も意識していません。

今後、虫歯にならないために、歯ブラシを良くすることも大切ですが、失恋による「さみしさ」が原因となっていることに気付き、甘いものを食べて「さみしさ」を紛らすことをやめなければいけません。

原因がはっきりしていると思われる虫歯でさえ、このように見えない隠された原因があります。



ガンという病気はどうでしょう。

医学的に遺伝的素因、環境的素因が原因と言われていますが、解明が進まず、依然として不明なことが多いことは事実です。

不明なことの中には、現代医学で認めてられていない、心や魂に関わる原因が関係していると考えられます。

人は生きていると、さまざまな出来事ことを経験します。

うれしいことばかりであればいいのですが、悲しいこと、つらいことも、たくさんあります。

悲しいことが起こると、人は涙を流します。

涙は悲しいことを早く忘れるために、神が与えてくれたものなのかもしれませんが、いくら涙を流しても、起こってしまった悲しい事実を消すことはできません。

その悲しみが心を大きく支配してくると、何も考えられず、何も手につかない状態になってしまいます。

この世に生まれてきたのは、魂を向上させるためですから、何も手につかない状態のままでは、その目的を果たすことはできません。

悲しみの想いを持ち続けることにより、魂のありさまが変わっていき、それが肉体上に病気として顕れることになります。



そして、苦痛を通して過ちに気付き、本来の心を取り戻していくことになります。

病気は、大切なこと(摂理)に気付くためにある、神の摂理だと考えられます。



病気の原因を知るためには、過去にあった心を支配することになった、つらい出来事を振り返らなければいけません。

そして、向き合うことから始まると考えられます。

そのことは記憶としては忘れかけていても、魂にはしっかりと刻み込まれていて、心や肉体に影響を与え続けています。

身にふりかかった、つらい出来事を、誰かに話を聞いてもらったり、相談したりすると、その胸のうちにある感情が表に出てきて、意識することができたかもしれません。

しかし、誰にもわかってもらえなかったり、話すことができなかったりして、感情の持って行き場がどこにもなかったりすると、怒り、憎しみ、恨み、嫉妬などの摂理に背いた想いに心が支配され続けていたとしても、意識することは難しいと思われます。



人間は未熟ですから、その様な想いを持つことは避けられないのかもしれませんが、たまり続けていくと心に(摂理に背いた想いの)しこりができてしまいます。

徐々に大きくなった心のしこりは、魂にも影響を与えていくことになり、神の心である平和、協調、調和が、魂から失われていきます。



生まれてきた目的は、他者を愛すること、困難を乗り越えることで、魂を向上させることにあり、神の心を抱き、それを表せば向上しますが、摂理に背いた想いを抱いていては望めません。



ガンが肉体上に顕われたのは、苦痛を通じて大切なこと(摂理)を学び、魂が本来あるべき姿を取り戻していくためと思われます。

ガン患者さんの多くは、心のしこり(想い)が原因でガンになったと思っています。

ただ、検査で調べてわかるものではありませんし、それを証明する根拠はありません。



もし信じてもらえるのであれば、心のしこりを作ってしまった過去の出来事(原因)と、あらためて向き合って下さい。

心の傷であり、早く忘れてしまいたいことであり、決して簡単なことではありません。

しかし、病気を治すためには、心のしこりに閉じ込めれた想いを手放してしまうことが必要です。

手放すためには、その時はとてもできなかったこと、その出来事を許して、受け入れなければなりません。

許せなかった、受け入れられなかったから、心のしこりが生まれてしまいました。



そのためには「愛」が必要です。

しかし、病気により痛みや苦しみを経験し、魂が向上して、最も大切なのは「愛」だと気付かれたのならば、許すことも、すべてを受け入れることもできるはずです。

許し、そして受け入れれば、心のしこりはなくなり、魂が癒されて、肉体もそれに従い、病気が癒されていくことになるはずです。

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