2025年9月14日日曜日

赦すことで霊性は向上する


時の権力者は死を恐れるようです。

秦の始皇帝は、不老不死の薬を探し求めて、日本にまで使者を送ったという記録が残っています。



人間の寿命は決まっています。

どんなに世界中を探しても、いくら科学が発達しても、そのような薬が見つかることはありません。



もし、見つかったとしても、私は飲む気は全くありません。

肉体の束縛から解放され、望むところにどこでも行け、想ったことが直ぐに具現化し、お金や仕事や人間関係の心配が全くない世界に行けるのに、何を好き好んで地上に執着するのでしょうか。

死後の世界(霊界)には、無限の界層があると言われています。

シルバーバーチの霊訓には、こう書かれています。

「こちら(霊界)では魂の成長に応じた界、つまりその人の知性と道徳性と霊性の程度にちょうど良く調和する界に住むようになります。界の違いはそこに住む人の魂の程度の違いだけで、霊性が高ければ高いほど、善性が強ければ強いほど、親切心が多ければ多いほど、慈愛が深ければ深いほど、利己心が少なければ少ないほど、それだけ高いレベルの界に住むことになります。」




高い界層は利他的な人が生きる、明るく調和の取れた美しい世界であり、低い界層は利己的な人が生きる、暗く調和に欠けた醜い世界です。

前者を天国、後者を地獄と呼ぶのかもしれません。



地上においても、天国と地獄は存在すると思います。

それは特定の場所を指すのではありません。

私たちの心の中に作り出されます。



愛で満たされ悦びを感じている時、地上にいながら心は天国にいます。

憎しみや嫉妬に苛まれ苦しんでいる時、互いに傷つけ合っている時、地上にいながら心は地獄にいます。



さまざまな出来事が起きるのが地上です。

それによって心は移ろいます。

愛情を感じていた人に裏切られたりすると、怒りや憎しみの感情が生まれて、天国から地獄に落ちてしまう時もあります。



苦しみから抜け出すためには、対象を赦さなければいけません。

けれども、赦そうと思って赦せるものではありません。

こんなに苦しいのは対象(他者)のせいだと思うと、余計に怒りや憎しみがこみ上げて来ます。

それに伴い、さらに苦しみが増して来て、悪循環に陥ってしまいます。



苦しみを生み出しているのは対象ではありません。

自分の心の中に生じた怒りや憎しみです。



地上に生まれて来たのは、霊界では出来ない経験をして、学び成長するためです。

極めて低い界層を除いて、霊界では怒りや憎しみや恨みが生じる対象は存在しません。

そのため、赦すという経験はできないと考えられます。



魂と肉体の間に介在する媒体として、地上の自我(精神)が存在しています。

そこから怒りや憎しみなどの感情が生じています。



本来の自分(魂)は、神とつながっています。

私たちは、神の心を表現しようとする極小の一部です。



神の心は愛です。

そのため、本来の自分(魂)からは、怒りや憎しみは生じることはありません。



約2000年前、イエスは無実の罪で十字架にかけられました。

十字架の上で「父よ、彼らをお赦し下さい。彼らは何をしているのか自分で分からないのです。」と神に祈りました。



全ての感情を打ち消す、最も強いエネルギーが愛です。

命を奪おうとしている対象が赦されることを願うという、極めて高い愛をイエスは表現していたために、怒りや憎しみや怖れは存在していなかったと考えられます。



対象を赦すため、怒りや憎しみを手放すためには、今よりも高い愛が必要です。

そのためには、さらなる魂の成長が必要となります。



「苦しい過程において、魂は鍛えられ、清められ、そして成長する」と言われています。

従って、怒りや憎しみに苦しむのも決して無駄なものではなく、先の赦しへとつながっていると考えられます。



「全ての苦はそれが魂の琴線に触れることによって自動的に報いをもたらし、それが宇宙のより高い、より深い実相について、より大きな悟りを得させることになるのです。」とシルバーバーチの霊訓には書かれています。

苦しみや痛みにより、奥深くで眠っている魂が呼び覚まされ、内在する無限の叡智(神)に仕舞われている真理の1つが明かされることがあります。



その真理を受け入れることにより、対象や出来事の捉え方が大きく変わります。

それに伴い、心の様相も大きく変わります。



怒りや憎しみが鎮まって来たのであれば、対象や出来事を赦す方向へと向かっています。

取り巻く状況は変わらないとしても、心は地獄から抜け出すことができます。



怒りや憎しみ捉われていては前に進んで行くことはできません。

「赦す」と言う意志表示を自分自身にしてみてはどうでしょうか。

自己犠牲を伴うその行為は、神の心と一致しているために、魂に愛が流入して、苦しめている感情が手放されるかもしれません。



魂には、少しでも上の界層に行きたいと言う根源的な欲求があります。

さまざまな経験を通して、多くのことを学べるのが地上です。

対象や出来事を赦すという経験をすることにより、霊性は向上しています。

より次元の高い愛を表現できるようになり、上の界層に行くための条件を満たすことにつながっています。

そのための計画を携えて、適した環境と人生を選んで生まれて、相応しい出来事を経験しているのかもしれません。



9 件のコメント:

  1. いくみ様
    ご無沙汰してすみません
    姪の乳がん抗癌剤治療ひと月終わり、腫瘍が1.6から1.2と小さくなりました!効果がでていると主治医からもいわれほっとしています。
    まだまだ治療は続きますけれど。

    実は下の弟が10年程まえから大腸癌、胃がんと経験し、検査をしていましたが7月に前立腺癌がみつかり10月に手術になりました。
    本当に度重なる弟の病気に辛く思ってしまいます。

    怒りや憎しみ捉われていては前に進んで行くことはできません。
    いくみ様のプログの言葉に励まされました。やはり何故の怒り誰かをに憎しみを持ってしまう自分がいました。

    私は私にできることをし前に進みます。
    弟の手術日が決まりましたら
    ヒーリングお願いしたくよろしくお願い致します。

    お願いばかりで申し訳ありません。



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  2. あさよ様

    こんにちは。
    姪御さんの腫瘍が小さくなって良かったですが、弟さんに前立腺がんが見つかったのですね。
    何回も手術をされているそうで、肉親として見ているのはお辛いですね。

    何故と思ってしまうのでしょうが、その答えは霊界ではっきりします。
    あさよ様の成長に関わっているのは確かです。
    無用な感情に捉われずに、前に進んで行きましょう。

    ヒーリングの件、了解しました。
    手術の日が決まりましたら、連絡して下さい。

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  3. いくみ様
    ありがとうございます。
    弟は胃も三分の一しかありませんし
    今回で外科手術も4回目です
    はじめはとても何故?俺が?また?
    と、、、
    でも弟も霊界や生きる意味を考える子なので私からのいくみの言葉を理解してくれています。
    私も家族のこの状態を見守る意味があるのだと成長につながっていると信じて生きます。
    手術が決まりましたら、宜しくお願い致します。

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  4. イクミ様

    いつも学びになるブログをありがとうございます。
    過去のどうしても赦せないものを赦すということから、いかに楽に生きれるか、というのを日々実感しています。人生こんなに楽しいんだと気づきました。
    それでも、日々、ニュースなどで非道な犯罪や歪曲された情報などを見ると、正義感から悪いことをしている人たちに対して怒りを感じることがあります。でも、この感情だって、正義感から発した被害者への同情や慈悲だったにせよ、怒り憎しみというものは、内容が正しいとか不正とかいう枠を超えて、同じ地獄的な想念なんだと思います。日々世界中に繰り返される理不尽な出来事に対して、どのような気持ちで怒りに飲み込まれずに解決策を探し、不幸と見えるできごとから何を学習していくのかが、人間として与えられた課題なのかもしれませんね。

    ところで、ヒーリングをお願いできますでしょうか。 以前、腎臓末期癌の父にヒーリングをいただき、本当に危うかったところを助けていただきました。今年の夏もおかげさまで父に会うことができました。しかし、一か月ほど前、ベッドから転落して腰を打ってから症状が悪化しています。今日、父がボートに乗って川から私に会いにきた夢を見ました。まだ親孝行もできていないし、育ててくれた感謝さえ伝えられず、また来年の夏会えるんじゃないかと、現実から目を背けてきましたが、おそらく父も同じように、うまく愛情を伝えられなかったことを意識しているのではないかと思います。イクミ様の都合の良い時間で、よろしくお願いします。


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  5. 冬の太陽様

    いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
    そうですね。正義感が良心から発するものなのか、エゴから発しているものなのかを見極める必要があります。エゴから発しているものであれば、往々にして人を傷つけてしまいます。
    世界で起きている理不尽な出来事に対して、自分は何ができるのかと問い質した時、やはり真理の普及ではないかという結論に至ります。
    それしかないと霊界の人たちは思っているでしょう。

    お父様と会うことが出来て良かったです。
    ベッドから落ちてしまい、腰を打ってから症状が悪化しているのですね。
    お父様が会いに来る夢を見たそうですが、言われるように、もう1度冬の太陽様に会いたいと思っているのではないでしょうか。
    感謝の想いを伝えられなかったのは、伝えてしまうと最後になってしまうような気がしたからでしょう。

    お父様と冬の太陽様がまた会えて、今度はお互いの想いが伝えられることを祈りつつ、ヒーリングを行ってみます。

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  6. ヒーリングの同志の方へ

    こんばんは。
    コメントにありますように、冬の太陽様のお父様のガンの症状が悪化しているようです。
    遠く離れたお二人がもう1度再会できること、お父様の症状が良くなることを祈念してヒーリングを行います。
    お時間がある時で結構ですから、お父様に向けて力と祈りを送って下さい。
    よろしくお願いいたします。

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  7. イクミ様、同志の方

    ヒーリングをありがとうございました。父は、今日、足が少し軽く感じるようです。入院も延命措置も拒否しているので、食べられなくなったら終わりだと思いますが、今日は、葡萄が食べたいと言って、自分で立って台所に歩いてきたそうです。
    今までありがとうねと父に言えば、本当に最期になってしまいそうでなかなか言い出せません。でも、私の子供時代、あんなに強くて怖い父だったのが、だんだん痩せて弱っていくのを見ると、切ないですね。これからの余生を、父が人生を思い返し、心の中でいろんな人に感謝と反省をしながら、穏やかな心を持ってくれればいいなと思います。私も自分の人生で、ああすればよかった、こうすればよかったと思うことが多々あり、それを活かして今日明日と、努力していきます。

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  8. 冬の太陽様

    お父様の足が軽くなり、食欲が少し出て来たようで良かったです。
    強かったお父様の衰えて行く姿を見るのは切ないですね。
    私も数年前に同じような経験をしましたが、これも自然の摂理です。
    向こうの世界に行くのが近づくにつれて、感情に捉われなくなり、穏やかになって行くと思います。

    生きていると後悔はつきものですが、その想いを今を大切にして生きることに転化できると思います。

    これから寒い季節になりますが、お身体に気を付けてお進み下さい。
    また何かありましたら、連絡して下さい。

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  9. ヒーリングに参加して下さった同志の方へ

    こんばんは。
    急なお願いにも関わらず、ヒーリングと祈りに参加して下さり、ありがとうございます。
    おかげさまで、冬の太陽様のお父様は、少しですが症状が改善したのではないかと思います。
    またお願いする時があると思いますが、よろしくお願いいたします。

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