2024年7月7日日曜日

愛の存在を信じられる人はあの世の存在も信じられる


古今東西を問わず、権力者は老いや死を恐れているようです。

2000年以上前の中国で絶大な権力を誇った秦の始皇帝もその1人です。

徐福という家来に、不老不死の薬を見つけて来るように命じました。

徐福は東方にその薬があると聞き、海を渡り日本に来て、そこで死んだという伝説があります。

和歌山県の新宮市には、徐福の墓があるとされています。

徐福の墓 建立1736年 新宮市HPより

人間が地上を生きる年月は決められています。

どんなことをしても、寿命は延ばせません。

権力者は、幻を追い求めていたことになります。



目の前に不老不死の薬があったとします。

その薬を飲んでも良いと言われたとしても、私は絶対に飲みません。

死は肉体から意識の解放です。

地上生活の卒業です。

その先に大きな自由が待っているのに、何故、自分から放棄する必要があるのでしょうか。

真理を知った私にとって、不老不死の薬は猛毒のように感じられます。



権力者に限らず、死んだらお終いだと信じている人は少なくありません。

そんな人は、きっとこう言うでしょう。

「終わりでないのであれば、その証拠を見せて下さい」



死後の世界は、地上とは次元が異なるために、残念ながらお見せすることはできません。

証拠がないのならば信じるしかありませんが、あの世の存在を説くべき宗教が、人間の作ったドグマに固執して関係のないことばかりを言っています。

これでは信じられなくなるのも無理はありません。



「パスカルの賭け」というのがあります。

物理学者であるパスカルが、神が存在するのか?それともしないのか? どちらを選んだ方が賢明なのかを、科学者らしい観点から述べています。

神が存在するのを選んだ方が賢明と、パスカルは言っています。

そちらを選んでおけば、少なくても賭けに負けることはないからです。



あの世についても、信じていた方が賢明です。

信じていて、実際に存在していれば、その通りだったと思うだけです。

存在しなかったとしても、無になるので、間違っていたと悔しがることもありません。

信じていないで、あの世が存在していた場合は、混乱は避けられないでしょう。



死んだら終わりだと思うと、したいことをしようとする気持ちになります。

問題なのは、どんなことをしても、無になってしまうので構わないだろうと考える人がいることです。

自分の想ったこと、言ったこと、行ったことに対して、自然法則が働いています。

相応の結果が生じて、反していれば苦痛による償いが発生します。

嘘を付いたり、悪いことをするのがいけないのは、道徳的な問題ではありません。

霊的な法則に反しているからです。

あの世がないと信じている人の多くは、そんな法則など存在しないと思っているので、この世で罪を重ねてしまう可能性があります。



誰が何度やっても同じことが起きるのが法則です。

地面に物が落ちるのも水が100°Ⅽで沸騰するのも、(物質的)法則の働きによるものです。

愛されると悦びを感じます。

愛する人との別れは悲しみを感じます。

これも誰が何度経験しても同じです。

感情が生まれるのも、(精神的)法則の働きによるものです。



生れるのも、成長するのも、老いるのも、死ぬのも、自然現象の一環です。

自然現象に偶然はなく、自然法則の働きによって起きています。

法則の働きによって起きているので、完全な公正が保たれています。

証明することのできない法則も、信じるしかありません。



証明することができないけれども、存在しているものは他にもあります。

それは「愛」です。



愛は霊的次元の存在です。

従って、五感に触れません。

霊的次元に存在する愛は、この世では体験を通して感じ取るしかありません。


ある出来事が、第二次世界大戦下のアウシュビッツ強制収容所で起きました。

収容所から脱走者が出たのです。

罰として、同じエリアにいた人たちの中から無作為に10名が選ばれて、連帯責任を取らされることになりました。

その内容は残酷極まるもので、部屋に閉じ込めて飢死させるものでした。

選ばれた1人の男性が思わず「私には家族がいる」と叫びました。

それを聞いていたゴルベという神父が、自分が代わりになると申し出ました。

申し出は聞き入れられ、ゴルベ神父はその男性に代わって部屋に入り、2度と生きて出て来ることはありませんでした。(最期まで讃美歌を唄って励ましていたそうです)

身代わりになってもらった人が、強烈に感じたのは「愛」です。

収容所から解放された後、自分が体験して得たことを世界各地で講演して回ったそうです。



あの世は深遠な愛の世界です。

愛は宇宙を進化させる根源的なエネルギーであり、あの世では実感を伴います。



地上では酸素を含んだ空気により私たちは生かされています。

あの世では愛を帯びた生命エネルギーが充満し、それによって生かされています。



生きる目的は、自分(魂)を成長させることにあります。

苦難を乗り越えて行くこと、愛を表現することで、人は成長して行きます。

多くの苦が取り払われているあの世では、他者に愛を表現することで目的が成就されると考えられます。



地上の空気と同じように、あの世では愛はありふれた存在です。

ありふれているがゆえに、その意味や大切さに気付けない人がたくさんいます。

かと言って、誰かに教えてもらうわけにも行きません。



空気が少なくなると、途端に息苦しくなります。

息苦しくなることで、空気の存在が強烈に意識されるようになります。

生きて行く上で欠かせないものであることを知ります。



愛も同じです。

霊的な感覚が前面に出ているあの世では、何もしなくても愛を意識することができます。

ところが、地上に生まれると肉体(五感)によって遮られて、意識できなくなります。

深甚な体験をすることによって、魂が目覚めて、霊的な感覚が蘇り、再び意識されるようになります。

収容所で身代わりになってもらった人ではありませんが、極限まで追い詰められる体験によって、愛が最も大切であることに気付いて、後の成長へとつながって行く人がいます。



ありふれたものほど大切です。

けれども、長く同じ状態でいると、それが分からなくなってしまいます。

あの世でありふれた存在になっている愛を、五感で感じられなくなる地上において、体験を通して改めて意識し、新たな学びを加えるために生まれて来た人もいます。



魂に刻み込まれた霊的な学びは、あの世に持ち帰ることができ、全て活かされます。

新たな学びが加えられ、深みを増した愛によって、より次元の高い奉仕ができるようになります。



愛を表現することで個々の魂は成長し、それが全体の進化へとつながっています。

全体に調和が生まれて、美しさを増しながら、1つになって行きます。



愛の存在を信じられる人であれば、あの世の存在も信じられるはずです。

愛が生まれているのも、感じているのも、同じ次元に存在している魂です。

肉体から完全に離れた魂が赴く先が、あの世です。

そこが真の住処です。


くぅとしの「認知症の犬しのと介護猫くぅ」より
 




14 件のコメント:

  1. イクミ様、五感で感じられないものを信じるのはなかなか難しいものですが、私は信じます。

    外国には、特に英国ですが、あの世を証明してくれる優秀なミディアムが存在するそうです。
    日本は霊的に遅れているとも言われているようです。
    確固たる証明を与えてくれるのは死別で苦しむ私たちにとり素晴らしくありがたいことですね。

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  2. 匿名様

    ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
    証明されていない愛の存在を肯定している人が、同じく証明されていない魂やあの世の存在になると否定するのは矛盾していると常々感じていたので、逆説的に書かせていただきました。

    そうですね。
    英国には優秀なミディアムがたくさんいると思います。
    日本にもいるのですが、高い報酬を要求する霊能者が多いので、いかがわしい人たちに思えてしまうのでしょう。
    誰でも払える報酬でなければ、真実を求めている全ての人を霊界は導くことはできません。
    霊界から見れば、真理普及の貴重な機会を逃していることになります。

    大切な人を亡くした人にとって、魂とあの世の存在を確信できる以上の癒しはありません。
    これからはミディアムを介さなくても、あの世の人たちとつながる時代になって行くと、私は信じています。

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  3. 私もそう思います。
    ミディアムを介さなくても繋がれる時代にいつかなると。
    自分で繋がれると。
    それが霊界の大切な人も望んでいると感じます。 
    いつも大切なメッセージをありがとうございます。

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  4. いつも貴重なお話を感謝申し上げます。
    ミディアムを頼らずとも自分と故人と繋がれたら素晴らしいことです。
    以前、空を見上げると手前に小さい雲がはやく通り抜けました。
    あの雲だけ動きが違うと思ってみていると、奥の方に笑ってる夫のような顔の雲が…。すると、その雲は形を変えて、実祖母の顔になりました。え?一緒にいるの?と思いました。
    天国と繋がったようで嬉しかったです。
    どういう意味がありますか?

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  5. ししとう様

    おはようございます。
    ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
    霊界にいる人たちは、いろいろな方法で存在を示してくれています。
    インスピレーションに反応しない人には、物理的な現象を起こして、五感で分かる形で示してくれることもあります。
    雲は比較的簡単に操ることができるので、霊界にいる人たちにとって示しやすい手段であると、私は考えています。
    多くの人は偶然と言うでしょうが、ししとう様の想いに応えてくれたと思います。

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  6. お返事ありがとうございます。
    そうなんですね~😊
    雲を操れるんですね✨
    とても嬉しい気持ちになりました。
    見守ってくれているんだと思って頑張って生きていきます💮✨

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  7. イクミ様 さくら様

    先日は、職場の同僚へのヒーリングをありがとうございました。

    無事手術を終えて、復帰してくれました。
    先生も、良い方向と仰っているそうです。

    念のため細胞を検査されるそうです。

    本当にありがとうございました。


    霊界との繋がりのお話し、ありがとうございます。

    信じているつもりでも、聞こえない 見えない。事で不安になりその都度イクミ様のこちらのブログの事を思い出し、信じてみよう。
    その繰り返しですが、日々彼に話しかけています。

    きっと聞いてくれている、また逢える。

    逢いたい。
    そう思って貰える様な人になろう。
    と生きています。

    紀子

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  8. 紀子様

    こんにちは。
    同僚の方は無事手術を終えて、職場復帰されたのですね。
    良かったです。

    ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
    地上からの想いは、霊界に届いています。
    霊界にいる人にとっての生命線は、自分の存在と想いを信じてもらうことです。
    信じていれば、つながりは保たれます。
    何度も言いますが、愛し合う者同士に別れは存在しません。

    逢いたいと思ってもらえる人になるように努めるのは大切なことであり、そのためにもこの世を大切に生きて下さい。
    彼を愛することになります。

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  9. 紀子様

    同僚の方が無事に手術が済んで、お仕事に復帰なさったのですね。
    本当に良かったです。

    人から逢いたいと思ってもらえるように、この世で生きていこうと思っていらっしゃる紀子様のお姿に、霊界の彼はとても誇らしく嬉しく思っていらっしゃると思います。

    さくら

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  10. イクミ様

    半年ほど前、腎臓がん末期の父にヒーリングをいただき、そのとき父がよく眠れたので、またヒーリングをお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。父は、血尿で排尿困難を抱えており、昨日緊急で膀胱洗浄したのですが、血の塊を一部除去できたものの、激痛で苦しんでいます。過去に心臓、腰、足、目など手術を乗り越えてきたのですが、今回が一番苦しそうです。

    昔は厳しかった父ですが、だんだん人間的な丸みが出てきて、できればあと数ヶ月でも、痛みにとらわれずに、心や命や神について考える時間を持ってあの世へわたっていけたらいいなと思っています。父はいつも夜7時半に寝たら、2時間おきくらいにトイレに頻繁に起きてよく眠れないようです。なので、夜は何時でも構いませんので、ご都合の良いときにお願いします。何を学ぶためにこの父と親子になったのだろうか、そして我が子にとって自分がどんな親であるのか、自分の未熟さを噛み締めています。





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  11. 冬の太陽様

    半年前にヒーリングをした末期の腎臓がんのお父様が激痛に苦しんでいるのですね。
    お父様はあの世に行く準備をされていると思いますが、できれば安らかにその時を迎えて欲しいと願うのは、親子であれば当然です。

    ヒーリングの件、了解しました。
    取り急ぎ、今から行ってみます。

    今晩10時から改めて行います。
    同志の方にもお声掛けをします。

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  12. さくら様。

    先日は、ヒーリングを本当にありがとうございました。
    毎日、元気に出勤してくれています。
    不安な気持ちを持っているはずですが、明るく振る舞っている彼女に学ぶことがたくさんあります。

    彼が旅立ち5年半の時間が過ぎました。
    さくら様の大切な方も同じ頃に旅立たれたとの事でしたね。

    あの頃の事は、ほんの少し前の出来事の様な、どこか夢の中の出来事の様な不思議な感覚で、思い出すたび苦しくなり涙する日々です。

    なんとか前向きに一生懸命と生きておりますが、早く彼のところへ逝きたい。
    その気持ちのまま、5年半の時間が過ぎました。

    彼からの想いも、あまりにも自分に都合の良いものばかりで、そんなはずは無いと不安にもなります。
    そんな自分が嫌になり、どう生きて行けば良いのかと、考えれば考えるほど余計にどうすれば良いのかわからなくなり、彼に不安な気持ちをぶつけてしまいます。

    その事でまた自分を責めたりもしています。

    さくら様は、不安な時どのように気持ちを落ち着かせておられますか。

    すみません。
    弱音ばかりです。

    紀子。

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  13. 紀子様

    さくらです。
    同僚の方は元気にお仕事をされていらっしゃるとのこと、本当に良かったと思います。
    困難にも負けずに明るく進んでいらっしゃる同僚の方のお姿は、周りの方々を明るく照らしているのでしょうね。

    大切な人が肉体を離れてからのこの5年半という時間は、短いような長いような、通常の時間の感覚とは違う年月に思います。
    きっと紀子様も同じように感じられていると思います。
    紀子様もその年月を、苦しみを感じ涙を流しながらも必死にここまで生きてこられました。
    そのお姿に霊界にいらっしゃる彼はきっと「よく頑張っているね。すごいよ!」と褒めてくださっていることでしょう。

    彼から紀子様へ届くインスピレーションは、どうぞ素直に受け取ってください。
    胸が温かくなるような感覚の時、また、ご自身がリラックスなさっている時にふと届くことは、霊界からの想いです。
    霊界からの働きかけは、実は地上の人が思っているよりもたくさんあります。
    彼から届く想いを感謝の気持ちを持って受け取ることができたら、彼はとてもお喜びになります。

    残りのこの地上でお過ごしになる年月の長さは、霊界で活動なさる時間と比べたら、比較にならないほどのわずかなお時間です。
    そのわずかなこの地上でのお時間を、紀子様なりに懸命に生きることをなされば、霊界で彼に再会なさった時には胸を張って頑張ったことをご報告できます。

    不安を感じてしまう時には、今まで受け取ったたくさんの彼からのインスピレーションを思い出してみてください。
    驚くほどの彼からの愛情を再確認でき、安心と自信になるかと思います。
    そしてお心が揺れてしまう時には『シルバーバーチの霊訓』をお読みになると、瞑想の時のようにお気持ちが静かに落ち着いてくるかと思います。

    死によってその関係性もその方のお人柄も変わりません。
    全てを携えて現在も彼は存在していらっしゃいます。

    紀子様が少しでも穏やかになりますようお祈りしております。

    さくら

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  14. さくら様。

    ありがとうございます。
    寂しくて、苦しくて悔しくてと自分ではどうすることもできない事が余計に苦しくなり、パニックになりそうな気持ちを、大丈夫と言い聞かせて生きてきました。

    ふと死にたい。
    そう思う事が少なく無いですが
    自分から命を絶てば再会出来ない。

    そして苦しいのは自分だけでは無い。

    そう思っています。

    彼からの想い。
    どれも全部彼らしく不器用な中にも暖かいものばかりです。
    やっぱり出逢えて良かったです。

    不安定な時、心穏やかにと努めてみます。
    シルバーバーチの霊訓も手に取ってみます。

    本当に暖かいお言葉ありがとうございます。
    頑張ってみます。

    紀子。

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