私は歯科医として地域医療に携わっています。
ご存じのように、虫歯はプラークという細菌の塊が原因で起こります。
甘いものが好きな人や、日頃の歯磨きを怠っている人は、虫歯になる可能性が高くなります。
地上の人間は、肉体、精神、魂(霊)から成り立っています。
たくさんの病気がありますが、肉体(物質)的、精神的、霊的次元のどこかに、その原因が存在しています。
虫歯菌は顕微鏡で確認できるので、物質的次元に原因が存在していると言えます。
胃潰瘍は過度のストレスで起きることが多いので、精神的次元に原因が存在していると言えます。
ストレスを感じると、つい甘いものを食べてしまう人もいます。
従って、虫歯は物質的次元だけではなく、精神的次元にも原因が存在していると言えます。
未だに原因が分からない病気があります。
その多くは、現代医学で認められていない霊的次元に原因が存在していると考えられます。
霊的次元に原因が存在する病気は、「魂の成長」に深く関わっていると思います。
記憶には上ってきませんが、この人生の前に地上を生きた経験があります。
前の人生で過ちを犯し、その償いをするために病気になっている人がいます。
相応の償いをしないと、成長することが許されないからです。
自分を成長させるために、病気になることを決めていた人もいます。
肉体がないと経験できない病気を通して、霊界では得られない資質を手に入れるためです。
甘いものを食べるのも食べないのも、歯を磨くのも磨かないのも決めているのは「自分」です。
ストレスを感じる生き方や考え方をしているのも「自分」です。
自分で決めて、行ったことが、病気という結果として自分に返って来ています。
今まで、どれ位のことを決めて来たのか想像もできません。
どんな身体に宿るか、どんな環境(家庭)で育つのかも決めています。
肉体の弱点や、親から受け継ぐ因子も、生まれる前の自分は承知しています。
それぞれの人に、人生の計画があります。
効率よく成長させるために、無限の叡智(神)の配慮により考案されたと考えられますが、その計画も承知して生まれて来ています。
その身体や環境を通して経験したことが、今の自分を形づくっています。
計画などすっかり忘れてしまっている地上の人のために守護霊が付いて導いています。
けれども、分岐点に差し掛かった時、どちらに進むのかを決めるのはあくまでも自分です。
誰のせいでもありません。
運が悪いのでもありません。
自分で決めて来た結果として、今の自分がいます。
病気になり、運命を呪ったり、神を恨んだりしてはいけないのはそのためです。
理不尽さを感じるのは、原因(決定)と結果の連鎖が地上では分からないからです。
神の公正は完璧です。
宇宙の隅々まで自然法則が働いています。
法則が働いた結果として起きているので、偶然や不運はありません。
法則は神の心の反映です。
神の心は愛です。
悪い方向に向かっているように見えても、法則の働きによって、善い方向に向っています。
肉体だけを見て判断してはいけません。
大切なものに気付いて、生き方や考え方が変わったのであれば、病気になった目的が成就されています。
病気に負けることはありません。
シルバーバーチの霊訓にはこうあります。
「魂の優位を主張し、肉体と言う下等なものによって束縛され抑えられることを拒否することで病気を追い払うのです。身体を従者にするのです。主人にしてはなりません。誰にでも出来ることです。ですが、大部分の人間は頭から出来ないものと思い込んでいます。だから出来ないのです。」
魂の表現媒体に過ぎない肉体上にある病気に、負けるはずなどありません。
たとえ肉体を失ったとしても、それは病気に負けたのではなく、計画がそうであったと考えるべきです。
いづれにしても、善きに計らわれています。
魂から生じた意志は具現化する力となります。
「(病気を)治す」と言う強い意志を持ち続けて下さい。
元気になっている自分を心の中でイメージするのも有効です。
魂が肉体より優位で、意志が具現化する力になるのなら、肉体はそれに従うはずです。
スティグマ(聖痕)などは、意念が肉体に変化を起こす実例と考えられます。
「治りたい」「治したい」は願望であり、「治して下さい」は依頼であり、意志とは違うので気を付けなければいけません。
自分の本質は魂です。
身体が病んでいても、苦痛により魂は浄化され、健やかになっているはずです。
たくさんの苦痛を味わって来た人ほど浄化は進んでいるはずです。
それが表現媒体である肉体に反映される時は、もうすぐかもしれません。
希望と意志を持ち続けましょう。
肉体がいかなる状況にあったとしても、病気になった目的が果たされたのならば、存在する理由はなくなり、癒されるはずです。